この記事の読みどころ

  • 米国の中古不動産市場にはピークアウト懸念が燻っています。
  • FOMCで12月の利上げ実施について具体的な議論があったかのかが注目されます。
  • 米国の消費者物価指数は「経済の体温計」として関心を集めます。

今週発表される経済指標の中から、特にマーケットインパクトを与えそうな経済指標をいくつかピックアップしてみました。ぜひ、チェックしましょう!

出所:各種報道をもとに筆者作成

ピークアウト懸念が燻る米国の中古住宅市場

11月22日(火)24:00に、米国の10月中古住宅販売件数(前月比)が発表されます。

米国の中古住宅販売件数は全米不動産業協会(以下、NAR)が公表し、景気動向に対して先行性が高いため、マーケット参加者も非常に注目しています。

前回、9月の同指標は、マーケット参加者の一部からピークアウト懸念が出ていたにも関わらず、3.2%(前月比)と、3カ月ぶりの高水準となりました。

今回、10月の同指標の市場予想は、-0.8%(前月比)と前月を下回る見通しとなっております。

なお、米国の不動産関係の経済指標は、差し押さえ物件、ショートセール(任意売買・自宅売却の際の売値が、借り入れ金額を下回っている状態)、不良債権物件(差し押さえとショートセールの合計)、新規購入者、現金での購入者、投資向け物件比率等の内訳も公表されています。興味のある方は、記事末に記したNARのサイトを覗いてみてください。

FOMCで12月の利上げ実施について具体的な議論があったか

11月24日(木)4:00(日本時間)に、米国の連邦公開市場委員会(以下、FOMC)議事録(11月1-2日公開分)が発表されます。

米国の連邦準備制度理事会(以下、FRB)が開催するFOMCでは、開催最終日に声明文を公表し、議事録を3週間後に公表しています。詳細は、筆者が以前執筆した記事を参考にしてください。

今回は、12月の利上げ実施についてFOMCで具体的な議論が出たのかどうかに、マーケット参加者の関心が集まっている模様です。

今週、最も関心が集まる経済指標ですので、ぜひ注目してください。

「経済の体温計」である消費者物価指数

11月25日(金)8:30には、10月全国消費者物価指数(除く生鮮食料品・前年同月比、以下、CPI)が発表されます。

CPIは総務省統計局が公表し、消費者が購入するモノやサービスを把握するための経済指標で、国内の経済政策を決定する上で重要な経済指標です。

この指標を見る際は、物価の絶対的な水準を捉えたものではなく、物価の変化の度合いを把握する点に注意しましょう。詳細は、筆者が以前執筆した記事を参考にしてください。

前回、9月のCPIは-0.5%(除く生鮮食料品・前年同月比)と、7カ月連続のマイナスとなりました。

今回、10月のCPIの市場予想も-0.4%(同)と、8カ月連続のマイナス予想となっています。

【参考情報】各経済指標の元データ

米国の中古住宅販売件数は全米不動産業協会(NAR)のウェブサイト、米国の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録は連邦準備制度理事会(FRB)のウェブサイト、消費者物価指数は総務省統計局のウェブサイトをそれぞれご参照ください。

 

岡野 辰太郎