4月14日、株式会社サイゼリヤ(7581)は2021年8月期の連結最終損益予想を上方修正し、10億円の黒字になると発表。従来予想は36億円の赤字だったところから一転した形となりました。

その要因は、家賃や食材費などのコスト削減に加え、国内の時短協力金約33億円が今期の営業外収益に計上される見込みであることが大きいようです。しかし、同社の月次売上高を見ると、新型コロナで最初の緊急事態宣言が出されて以降、厳しい状態が続いています。以下、業績を詳しく見ていきましょう。

外食大手の中では厳しい水準

大都市圏で3回目の緊急事態宣言が発出されるなど、コロナ第4波による飲食店への影響が深刻ですが、コロナが落ち着きを見せた昨年(2020年)夏から年末の間は、外食大手には前期業績に迫る勢いで回復を遂げたところも出てきました。

月次既存店売上高で見ると、すき家は7月に前年同月比を超え、マクドナルドは8月に前年同月比12.4%増と躍進しています。一方でサイゼリヤは4月に38.6%と大きく落ち込んだ後の戻りは鈍く、7~9月も70%台と芳しくありませんでした。

その後も前年超えの月はなく、今年1〜2月には第2回目の緊急事態宣言下で60%台まで落ち込んでいます。

コロナショック後も回復せず

サイゼリヤは最新の2021年8月期第2四半期時点で、国内1095・海外453の計1548店舗を展開しています。海外店舗は中国本土に407店舗あり、他は台湾・シンガポールに進出。そして国内外の全店が直営で運営されています。