新形態店舗は業績回復のきっかけになるか
最後に株価の推移を見てみましょう。サイゼリヤの株価は2018年1月に3800円を突破したものの、2017年8月期比で減益となってたことで2018年8月には2200円台まで下落。その後、2019年8月には2600円台まで回復し、年末まで同水準を維持していました。
しかしコロナ禍によって2020年3月に1700円台まで急落。その後は上下を繰り返しながら2021年5月現在で2300円~2400円台で推移しています。
今後の取り組みとしては、利益確保のための経費削減に努めるほか、ミラノ風ドリアを中心とした「ミラノ食堂」や小型店舗など新形態店の設置を進め、テイクアウトや中食需要の開拓を狙うとしています。
ただ、本格的な業績回復には1500店以上ある既存店の売上高が肝となるため、ワクチンによるコロナ感染の収束が待たれるところです。
まとめ
コスパがよく消費者の間では居酒屋代わりにもなるとして人気のサイゼリヤも、コロナ禍では業績が大幅に悪化しました。他の外食大手と比較して必需性が低いためか、依然として苦戦が続いています。今後の新形態店の展開も含め、巻き返しに期待しつつ業績推移を注視したいと思います。
参考資料
- 株式会社サイゼリヤ 月次報告(2021年8月期)、月次報告(2020年8月期)
- 同上 2018年8月期決算短信〔日本基準〕(連結) 2019年8月期決算短信〔日本基準〕(連結) 2020年8月期決算短信〔日本基準〕(連結) 2021年8月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 同上 2019年8月期 決算説明会 2020年8月期 決算説明会 2021年8月期第2四半期決算説明会 企業理念
- 日本マクドナルドHD株式会社 セールスリポート/月次動向(前年同月比)
- 株式会社ゼンショーHD すき家 月次売上推移 (2021年3月期)
- 株式会社矢野経済研究所 外食市場に関する調査を実施(2020年)
山口 伸