金融資産非保有者の割合と金融資産3000万円以上保有している方の割合を比較してみます。

両方ともがそれぞれ18.3%、19.6%となっており、ほとんど割合が変わりません。

60代で貯蓄がゼロである状況はとても不安ですし、かといって、3000万円以上の預金を準備することも、なかなか難しい仕事です。

では、実際の老後生活では、いくら預金があれば安心なのでしょうか。

60代が準備しておくべき金額はいくらか

老後のお金の問題と言えば、「老後2000万円問題」を思い出す人も多いかもしれません。

「老後2000万円問題」とは、金融庁が発表したレポートに端を発し、国会でも取り上げられて騒ぎとなったあの問題です。

「年金だけでは老後の生活費が2000万円足りない」との公表に、驚いた人も少なくありません。

この「2000万円」の算出根拠には、モデルケース(夫65歳以上、妻60歳以上の高齢夫婦無職世帯)があります。

このモデルケースの月の収支を計算してみましょう。

  • 収入:約20万9198円
  • 支出:約26万3718円
  • 収支:▲5万4520円

収支は赤字となり、毎月約5万円ほどが足りない計算になります。

この赤字家計が30年続くと約2000万円が不足し、これが2000万円の根拠となっています。