一つは、「自分は多額の預金を持っているのだから、それ以外の金融資産は株式投信など、インフレに強い資産で持とう」と考えることができることです。預金はインフレで目減りする「リスク資産」なので、預金ばかり持っているのは危険なのです。

退職直前の金融資産(除く社内預金)は全額が株式投資信託(以下、株式投信)※でも良いくらいです。それでも退職日になれば退職金が銀行に振り込まれて「金融資産のほとんどが銀行預金なので、インフレが来たら大変だ」と思うかもしれませんよ。

もう一つは、退職日に大金を手にして気分が舞い上がってしまうリスクが減ることです。退職前から「自分は多額の社内預金を持っている。満期になったらどうしようか」と考えておくことができれば、きっと冷静な判断ができるでしょう。

※投資対象に株式を組み入れることができる証券投資信託のこと

住宅ローンの返済は急がない

以前は「余裕資金があれば、住宅ローンの繰上げ返済をしましょう。最高の資産運用は借金を返済して金利負担を減らすことです」と記していたのですが、ここまで金利が下がると、急いで住宅ローンを繰上げ返済する必要はないでしょう。退職金で一気に残高を返済すれば良いからです。