女性の社会進出がさけばれる昨今、夫婦ともに仕事を持つ「共働き夫婦」は珍しくありません。
内閣府男女共同参画局の「男女共同参画白書(概要版) 平成30年(2018年)版」によると、共働き世帯は昭和55年(1980年)以降から増え続け、平成9年(1997年)には共働き世帯数が専業主婦世帯数(※)を上回りました。
専業主婦世帯は、妻が老齢基礎年金しかもらえないのに対し、共働きであれば老齢厚生年金も上乗せでもらえるため、夫婦2人で受け取れる年金額は増えることになります。
では、夫婦共働きであれば、年金だけでゆとりのある老後が送れそうでしょうか。
今回は、共働き夫婦が受け取れる年金額や老後の生活費のデータをご紹介します。
※「専業主婦世帯」の表現について・・・同白書中では「男性雇用者と無業の妻から成る世帯」と定義されていますが、本記事では便宜上「専業主婦世帯」と表現を統一いたします。
夫婦で年金はいくらもらえるか
まずは、専業主婦世帯、共働き世帯それぞれの場合で、年金がどれくらい受け取れるのかを見ていきましょう。
厚生労働省年金局の「令和元年(2019年)度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、年金の平均月額は以下の通りです。
国民年金
平均年金月額 5万5946円
- 男性平均 5万8866円
- 女性平均 5万3699円
厚生年金
平均年金月額 14万4268円
- 男性平均 16万4770円
- 女性平均 10万3159円
厚生年金の月額には、国民年金の受給額も含まれています。単純に平均のデータから考えると、専業主婦世帯の場合は、夫婦合わせて21万8469円。共働き世帯の場合は、夫婦合わせて26万7929円の年金が受け取れることになります。ちなみに、夫もしくは夫婦ともに自営業の場合は2人で11万2565円です。
次では、夫婦2人で老後を暮らしていくための生活費について考えていきます。