これを見ると、米国とユーロエリアに比べ、日本は現金・預金の割合が圧倒的に多いことがわかります。

この影響に関しては、金融庁の「人生100年時代における資産形成」(平成31年4月12日)に記載があります。

1998年からの20年を見ると、米国・英国では、それぞれマクロの家計金融資産は2.7倍、2.3倍へと伸びているにもかかわらず、日本では1.4倍に留まっているとのことです。

お金の振り分け先の違いが大きく影響しているのは明らかですね。

日本人が好む預貯金ではなく、欧米人が活用しているように、株や投資信託などの運用商品が多ければ多い方が、結果的に金融資産の伸びが大きくなっているのです。

長年、金融業界に携わってきた私の見解ではありますが、「貯蓄から投資へ」本格的に動き始める必要が出てきたのではないかと、最近は強く思っています。

ぜひ、みなさんも運用の必要性について、今一度検討してみてはいかがでしょうか。

まずは専門家に相談を

会社員がもらえる退職金の額は年々減少しています。

「退職金がもらえれば、老後生活は安心だ・・・」そんな時代は終わりを告げようとしています。

ゆとりある老後生活を送るためには、貯蓄以外の資金運用を検討する必要があるのは前章でも述べたとおりです。

少し海外に目を向ければ、うまく運用をして効率的にお金を増やしている人たちがいます。

お金の心配ごとは、知識と経験が豊富な専門アドバイザーにぜひ相談してみましょう。お金の心配が解消され、実り多い老後を実現させることができればいいですね。

参考資料

厚生労働省「平成30年(2018年)就労条件総合調査 結果の概況」4 退職給付(一時金・年金
厚生労働省 年金局「iDeCoを始めとした私的年金の現状と課題(厚生労働省 提出資料)」
公益財団法人生命保険文化センター〈「生活保障に関する調査」/令和元年度〉
金融庁「人生100年時代における資産形成」(平成31年4月12日)
日本銀行調査統計局「資金循環の日米欧比較」(2020年8月21日)
熊谷 良子「会社員退職金」1000万円~2000万円組の勤続年数(LIMO)
マネイロ「資産運用はじめてガイド」

佐藤 雄基