「人生100年時代」という言葉をよく耳にするようになりました。

平均寿命が延び、リタイヤ後の時間が長くなると考えられる中、老後の生活に不安を抱える方が多くなっています。

公益財団法人生命保険文化センターが行った調査(※)では、老後の不安内容として「公的年金だけでは不十分」が82.8%と最も多い結果でした。

実際に、公的年金だけで生活していくことは難しいのでしょうか。今回は、国民年金・厚生年金の平均受給額と、老後にかかる生活費を見ていきます。

※公益財団法人生命保険文化センター 令和元年度「生活保障に関する調査」

国民年金・厚生年金の受給額はいくらか

令和2年12月に公表された、厚生労働省年金局の「令和元年(2019年)度  厚生年金・国民年金事業の概況」より、最新の年金受給額のデータを見ていきましょう。

「国民年金」受給権者平均年金月額

平均年金月額 5万5946円
男性平均 5万8866円
女性平均 5万3699円

「厚生年金(第1号)」受給権者平均年金月額

平均年金月額 14万4268円
男性平均 16万4770円
女性平均 10万3159円

※なお、厚生年金の平均年金月額には、老齢基礎年金月額が含まれます。

国民年金は保険料の納付月数や免除月数によって金額が変わります。20歳から60歳までの40年間保険料を納めた場合、原則65歳から満額の老齢基礎年金が受け取れます。

満額の年金額は年度によって異なり、2021(令和3年)度は月額6万5075円が満額です。(※)

一方、厚生年金は給与や企業で働いていた期間によって支給額が決定されます。そのため男女で大きな差があることも、厚生年金の特徴です。

自分が実際に受け取れる金額については、日本年金機構から届く「ねんきん定期便」や日本年金機構のサイト「ねんきんネット」で確認しておきましょう。

※日本年金機構「令和3年4月分からの年金額等について