アフターコロナに海外事業を伸ばせるか
次に、モスFSの株価推移を見てみましょう。2018年3月期末時点で3000円台だった株価はその後の業績不調と食中毒事件の影響で下落し続け、2019年8月には2300円台まで落ち込みました。しかし業績の回復と共に株価は急上昇し、同年11月には3000円台に戻っています。
2020年3月にはコロナショックで一時2100円台となるものの、コロナ禍での増収が好材料となって上昇を続け、2021年3月には3400円台を付けました。その後は若干下降して4月中旬以降は3000円台で推移しています。
今後については継続的に限定商品を投入しつつ、さらにデリバリー対応・キャッシュレス化を進めるとしています。市場拡大が期待される海外事業においても、現地のセントラルキッチン(複数店舗の調理を1箇所で行う)企業と提携しながら、デリバリー強化店舗を拡大する計画です。
まとめ
モスバーガーは食中毒事件が主要因となって2019年3月期は減収減益でしたが、翌2020年3月期には商品企画の成功もあり短期間での回復に成功しました。
続くコロナ禍でも郊外型FC店の好調、台湾におけるコロナ収束が牽引し増収を維持しています。今後、長期で期待できるのは海外事業ですが、現地の消費者に合った商品を提供できるかが業績拡大のカギとなるでしょう。
参考資料
以下、全て株式会社モスフードサービス発表による
- 2019年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2020年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2021年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2018年3月期決算説明会資料
- 2019年3月期決算説明会資料
- 2020年3月期決算発表資料
- 2021年3月期第2四半期決算発表資料
- モスバーガー既存店および全店前年同月対比実績
- 連結財務指標
- 店舗数
- 事故のご報告とお詫び
山口 伸