まとめにかえて

今回は、国民年金・厚生年金の「繰上げ受給」についてのお話でした。

直前のデータからは、国民年金・厚生年金、いずれの場合も「本来」の65歳から受給をスタートするケースが圧倒的多数を占めていることが分かりました。

現役時代に老後資金をしっかり準備する、定年退職後もはたらき続ける、といった自助努力を続けているご家庭が多いことがうかがえる結果ともいえるでしょう。

とはいえ、長引くコロナ禍のあおりを受け、お金の不安を抱える人は増えていくかもしれません。繰上げ受給を選択する人の割合の推移は、今後も注視していきたいところです。

蛇足ではありますが、受け取りを遅らせて年金額を増やせる「繰下げ受給」を選んでいる人は厚生年金・国民年金ともにほんのわずか。全体の1%前後にとどまっています。

「受給開始までの生活をどうするか」

こう考えたときに「繰下げ受給」という選択肢を選ぶことができる人はほんの一握りだろう、というあたりが現状なのかもしれませんね。

国民年金、厚生年金、どちらに加入していた場合も、公的年金だけで老後の生活を乗り切ることはかなり心もとないといってよいでしょう。

長寿時代を見据えた資金形成は、できるだけ早いうちにスタートされることをおすすめします。

資産運用は、時間をかければかけるほどリスクが軽減し、リターンが安定してきます。「利子が利子を生む」複利の力を借りて、雪だるま式に資産を増やしていくことに繋がるのです。

「我が家の貯蓄状況と年金見込額・・・これで老後は大丈夫だろうか?」

そんな不安が頭をよぎったら、ぜひお金のプロフェッショナルに相談してみましょう。あなたとご家族に合った「お金の育て方」とめぐりあう最初の一歩になるかもしれません。

参考資料