返済を延滞するとローンが組めなくなるケースも

奨学金も通常のローン同様に、返還金を延滞すると本人や連帯保証人、保証人に対して文書と同時に電話による督促が行われます。

そして、個人信用情報の取り扱いに関する同意書を提出していて、かつ奨学金を返還している人が、3か月以上延滞すると、個人信用情報機関に個人情報が登録されることになります。

個人信用情報に延滞者として登録されると、クレジットカードが発行されなかったり、利用が止められたりすることがあります。また、自動車や住宅のローンなど各種ローンが組めなくなる場合もあります。

奨学金だからと安易に考えることなく、計画的に返済していくことが非常に重要です。

おわりに

最近では日本学生支援機構だけでなく、学校をはじめ各種団体が奨学金制度を設けています。また、貸与型だけでなく、返済が不要な給付型の奨学金制度も充実してきており、学びたい意欲を持っている学生の選択肢は広がったといえるでしょう。

一方で、貸与型の奨学金は借金であることに変わりはありませんから、学生から社会人になると同時に返済が始まります。そのため、大学に進学する本人が明確な理由を持っていないと後で後悔することになるかもしれません。

借金を背負って社会人としてのスタートを切ることを考えると、親の側は、大学にかかる費用の大部分ではなく、足りない一部分を補う程度に奨学金制度の利用を選択肢にしておくのがよいのではないでしょうか。

参考資料

中野 令子