将来の年金受取り額を「満額」に近づけていくためには
年金をもらえる年齢を目前にして、「資格期間が足りない」もしくは「未納期間がある」「年金保険料の免除や支払猶予をうけた」などの理由で、無年金・年金減額となる要因があった場合でも、救済措置は用意されています。
それが未納の年金保険料を後払いする「追納(※5)」の制度です。追納は、最寄りの年金事務所に申し込み、厚生労働大臣の承認を受けたうえで、行うことができます。
なお、追納が可能となるのは、追納が承認された月の前10年以内の免除等期間に限定されるなどの条件があるため、詳細は日本年金機構「国民年金保険料の追納制度」などで必ず確認しましょう。
まとめにかえて
経済的な事情で年金保険料の納付が難しい、第3号被保険者から第1号被保険者への切り替え手続きを忘れてしまった…
年金加入期間が少なくなる原因や事情は人それぞれでしょう。
また年金のしくみ自体分かりにくい部分が多いかと思います。年金生活がまだまだ先、という若い世代の方であれば思わず手続きを後回しにしてしまう人もいらっしゃるかもしれませんね。
ただ、1点お伝えしておきたいのは、「年金」が支えているのは老後の生活だけではない、ということ。
年金保険料を払わない状態が続いた場合、病気やケガなどで障害を抱えてしまった場合の「障害年金」が受け取れない、ご自身にもしものことがあった場合に「遺族年金」が家族に支給されない、といった事態も起こり得ます。
また、滞納し続けていると延滞金が課せられたり、財産を差し押さえられたりする、といったリスクもあるのです。
「本当に将来年金をもらえるか分からないから、無理してまで年金保険料を払う必要はないだろう」という発想には注意が必要です。
今現在、経済的な事情で年金保険料の納付が難しい場合は、保険料の支払いが「免除・猶予(※6)」になる制度を利用することも検討していきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和元年(2019)度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- ※1 企業年金連合会「第一号厚生年金被保険者」
- ※2 日本年金機構「合算対象期間」
- ※3 日本年金機構「3号不整合記録問題とは何ですか。」
- ※4 政府広報オンライン「知っておきたい「年金」の手続」
- ※5 日本年金機構「国民年金保険料の追納制度」
- ※6 日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」