筆者も塾で仕事をしている時に、中学校1年生の成績順位やグループが卒業まで大きく変動することがないのを肌で感じました。もちろん、少数ではあるものの成績がアップする生徒もいましたが、そういう子は塾でも家でも並々ならぬ努力をしていました。
乱暴な言い方ですが、人生で初めて他者との違いを意識させられ、自分自身がランク付けされるのが中学校。ある意味、牧歌的だった小学生から急に大人の世界へと一歩足を踏み入れることになります。
これは、事前にわかってはいても実際に身を置くのとは話が別。勉強も部活もスイスイこなす子もいる一方で、急激な変化に追いつこうともがき苦しむ子もいるのです。
「もう中学生なんだから」の一言で片付けないで
中学生は大人の階段を上り始める時期です。成績等で自分がランク付けされ、思春期突入でクラス内や部活内での人間関係のトラブルも起きやすくなります。ほんの数カ月前までランドセルを背負って小学校に通っていた子どもたちにとって、「ストレスにならない」と言い切れない環境です。
子どもの生活習慣によって精神面や肉体面への影響は異なりますが、誰しも少なからず小学校と中学校のギャップに追いつかず、何かしらの形で疲れが出やすくなるもの。
多くの親もこうした経験をしてきたはずですが、つい「もう中学生になったんだから」「勉強も部活も頑張るのは当たり前」と言ってしまいがち。そうした一方的な物言いで片づけず、子どもの気持ちに寄り添っていきたいものですね。
中山 まち子