年金受給額にみる「格差」
ここまでのお話で、公的年金の受給額には、「厚生年金をうけとる人の中での差」「厚生年金と国民年金の差」という、2つの年金格差があることがお分かりいただけたかと思います。
特に国民年金のみを受給する場合、国民年金基金に加入して上乗せ年金を作っておくなど、年金を増やす工夫を視野に入れるとよいかもしれません。
厚生年金を受給予定の世帯は、国民年金よりも手厚い受給額になりそうではあるものの、現役時代の収入と比較するとだいぶ少ない額になることを、あらかじめ頭に入れておいたほうがよさそうです。
冒頭で触れた「老後に最低限必要な生活費」は30万円前後。いずれにせよ、公的年金だけを「老後の命綱」とするのはあまりにも心もとない、と感じる人が多いのは自然なことでしょう。
いずれにせよ、現役時代から老後資金の準備をコツコツと進めていかれることをおすすめします。個人年金保険、iDeCo、つみたてNISAなどの活用を検討していくとよいかもしれません。
また、元気なうちは働けるまで働き、繰下げ受給して年金額受取り額を増やす方法もぜひ知っておきたいところです。これらを後押しする国の制度も整いつつあります。