70代といえば、ライフワークや家族との時間をゆっくり楽しまれる人が増える世代。

同時に、就労による定期収入がなくなり、健康面にも少しずつ不安が出てくる人が増える時期であるともいえそうです。

「年金と貯蓄」は老後の生活を支える命綱的なものであるといえるでしょう。

終身雇用の制度が一般的で、かつ景気がよい時期に働き盛りの時期を過ごされた人が多い日本のシニア世代。

現役時代の若い頃の蓄えや退職金、年金収入などの面で、イマドキの若者よりも「ゆたかである」というイメージを持たれることも多いかと思います。

今回は、『70代「年金額と貯蓄の中身」老後はお金をどう守る』と題して、セカンドライフに向けた備えについて考えていきます。

いまどき70代の年金事情

シニアライフを支える柱となるのは、多くの場合、まず公的年金といってよいでしょう。

最初に、厚生労働省の「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況（2019年度）」から、いまどきの70代のみなさんがどのくらい年金をもらっているかをみてみましょう。

国民年金の平均年金月額

（　）内は受給権者数

70～74歳：5万6697円（837万559人）
75～79歳：5万5922円（676万8205人）

厚生年金保険（第1号）の平均年金月額

（ ）内は受給権者数

70～74歳：14万6421円（389万2271人）
75～79歳：15万1963円（303万1605人）

加入する年金制度や加入状況により実際の受給額には個人差が出てきますが、70代の平均年金月額は、国民年金であれば5万円台、厚生年金であれば14万～15万円ほどのようですね。

会社員の夫と専業主婦の妻の70代前半世帯であれば、平均的な月額の年金額は約20万3000円になります。

総務省の「家計調査報告（家計収支編）―2020年（令和2年）平均―（二人以上の世帯）」によると、70～74歳の消費支出は24万6656円。

年金収入のみで暮らすことを考えた場合、この世帯では毎月約4万3000円の赤字になります。