50代はキャリアの集大成、そして収入のピークを迎える人が多い時期。

この4月に改正高年齢者雇用安定法がスタートし、はたらく側が希望すれば70歳まで雇用する機会を確保することが努力義務として企業に義務付けられました。

とはいえ、延長雇用・再雇用・再就職いずれの選択肢を選んだ場合も、現役世代よりも収入が下がることは避けられないと考える方がよいでしょう。

こうした背景からも、50代を定年退職までのラストスパートの時期と位置付ける考え方が一般的かもしれませんね。

先行きの見通しが立ちにくいコロナ禍。今回は50代世帯の貯蓄事情の変化を見ていきたいと思います。

50代の貯蓄事情「コロナ前後でどう動いたか」

ここからは、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」の、令和元年(2019年)、および令和2年(2020年)の結果から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大前後の、50代の貯蓄事情を比較していきます。

50代・二人以上世帯「金融資産保有額」(金融資産を保有していない世帯を含む)

平均値

2019年:1194万円→2020年:1684万円【前年比141%】

中央値

2019年:600万円→2020年:800万円【前年比133%】

平均値で前年比141%、中央値で133%となっています。

【平均値と中央値】
中央値とは、データを小さい順、あるいは大きい順に並べたとき、ちょうど真ん中にくる値を指します。平均値は極端に大きな数値に左右されやすいため、中央値の方がより実勢に近い数値と言えるかもしれません。


では、同様に金融資産の保有割合の変化も見てみたいと思います。