2016年11月9日は、次期米国大統領がドナルド・トランプ氏に決定するという歴史的な1日となりました。9日の日本市場は、開票結果が刻々と報道されるにつれ為替は大きく円高に、日本株は大幅な株安に向かいました。

トランプ次期大統領によって、日本は今後どのような影響を受けるのでしょうか。2017年の経済イベントを参考に近未来を予測していきましょう。今回は個人投資家向け経済メディアLongine(ロンジン)編集部に、2016年の資本市場の振り返りとともに、2017年の予測を聞きました。

2016年の株式市場はどうだったのか

――2016年はどんな年だったのでしょうか。

Longine(ロンジン)編集部:米国の次期大統領選挙があり、為替や株式市場が大きく動いた印象が強いですが、日本の株式市場はグローバルや米国の株式市場との比較で見れば低調だったと言えます。

――そのきっかけは何だったのでしょうか。

Longine:きっかけかどうかと言われれば難しいですが、2016年1月末の日本銀行によるマイナス金利の導入以降は冴えませんでしたね。グローバルや米国株が戻したのに対して、戻しきれなかったのが実情です。

2016年は意外なセクターが好調

――その中でも株価が好調だった産業(セクター)、不調だった産業について教えてください。

Longine:まず、不調だったセクターからお話ししましょう。最もパフォーマンスが悪かったのは銀行です。東証33業種で見ると最悪のパフォーマンスです(11月2日時点)。

逆に、好調だったセクターはどこだと思いますか。

――どこでしょうか・・・円高も進みましたし、インバウンドも後半しりすぼみでしたし。

Longine:正解は、その他製品セクターです。

――何ですか、そのセクターは。

Longine:代表的なのは任天堂(7974)です。「ポケモンGO」以降、多くの注目を浴び、今後も「スーパーマリオ・ラン」などが新たに投入されます。株価が大きく上昇し、次の事業展開を投資家が期待して待っているという状況でしょうか。

2017年はどのようなイベントがあるのか

――2017年はどんな年になりそうでしょうか。

Longine:詳しくはLongineで公開した記事「2016年株式市場振り返りと2017年のイベントに見る株式市場の投資テーマ」にまとめているので、ご興味があればそちらを参考にしていただきたいですが、一言でいえば、インバウンド向け、つまり百貨店の新装開店やホテルなど観光業の受け入れ準備が着々と進んでいるのが確認できる年です。

>>【参考】2016年株式市場振り返りと2017年のイベントに見る株式市場の投資テーマ-Longine

2017年の投資テーマとは

――投資テーマとして注目されるのは何でしょうか。

Longine:実は、2017年は経済系のイベントが少ない年です。また、株価は日銀を中心に買い支えられているとも言えます。企業のファンダメンタルズが好調で株価が維持できているわけではなさそうなので、注意が必要です。

そうした景況感では、意外に巣ごもり現象を支える産業に注目が集まります。これについても先ほどの記事にまとめてあります。

※参考:巣ごもり消費

――ありがとうございました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。2016年は日本株中心に投資をされてきた方には苦しい年だったかもしれません。2017年は、不景気になっても需要が出そうなセクターで銘柄を拾っていくのも面白そうです。

 

LIMO編集部