お金の中でも関心が高く、お金を貯めるために誰でも取り組みやすいのが「節約」です。
「節約」自体は悪いことではありません。
しかし、節約の意識が強くなりすぎると、それがかえってお金を減らしてしまう原因になる場合もあります。
今回は節約好きな人は本当は貧乏なのか?陥りやすいワナについて、元銀行員の視点でお伝えしていきたいと思います。
世代別貯蓄額、50歳未満は負債が貯蓄を上回っている
まずは節約について考えるにあたり、今の各世代の貯蓄の状況を確認しておきましょう。
総務省の「家計調査報告「 Ⅲ.世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況」(二人以上世帯のうち負債保有世帯)」によると、貯蓄額は以下の通りです。
純貯蓄額(貯蓄現在高-負債現在高)(万円)
〈2019年〉
- 全世代・・・-351
- 40歳未満・・・-1497
- 40歳~49歳・・・-746
- 50~59歳・・・66
- 60歳以上・・・709
〈2018年〉
- 全世代・・・-311
- 40歳未満・・・-1444
- 40歳~49歳・・・-809
- 50~59歳・・・151
- 60歳以上・・・736
〈2017年〉
- 全世代・・・-237
- 40歳未満・・・-1360
- 40歳~49歳・・・-705
- 50~59歳・・・255
- 60歳以上・・・743
全世代平均で負債が貯蓄を上回りマイナスとなっています。特に50歳未満の世帯ではその傾向が顕著で、毎年マイナス幅が増加傾向にあります。
また、現在50代の方はかろうじてプラスではあるものの年々プラス幅が小さくなっており、遠くない時期にマイナスに転じることも考えられます。
お金の管理は全世代の共通課題と言えるのです。