離婚時に相談相手として考えるプロと言えば、弁護士や市役所、ハローワーク、心療内科など。他人から離婚の相談を受ければ、「一度プロに相談してみたら?」とアドバイスできても、いざ自分が離婚となるとハードルが高く感じるものです。
筆者も自分の事となったときは相談を躊躇(ちゅうちょ)しましたが、いったん経験してみると、自分のためにも子どものためにも早くから相談しておけばよかったとつくづく思ったものです。
当事者になるとプロへの相談のハードルが高くなる理由と、実際に相談した後に感じたメリットを紹介します。
プロへの相談のハードルが高い2つの理由
離婚時にプロへの相談を躊躇したのには、2つの理由があります。
まずは「家庭内のことだから」という思い込み。離婚は結婚の延長線上にある、家庭内の問題です。離婚事由となる問題が起こったり、離婚の話し合いがうまく進まずに疲弊しても、「あくまで家庭内のこと」という意識がありました。
いざ当事者となると「家庭内のことだから自分で何とかしなければ」「辛いけれど自分さえ我慢すれば何とかなる」といった妙な責任感や、「プロに相談するほどのことではない」「これくらいで相談していいの?」と迷う時間が長かったのです。
同時に、「まさか自分が」という思いもありました。まさか自分が離婚とは、まさか自分が弁護士に相談するとは……そういった「まさか」の連続に驚きも大きく、なかなか行動に移せなかったということもあります。
それほどハードルが高いと感じていた筆者も、周囲の勧めもあり、「自分はもうプロに相談する段階まできている」と気付き、法テラスへ赴きました。
離婚は他者に相談しにくいものですが、可能であれば信頼できる人に話してみることをおすすめします。すると、自分では見えにくくなっている状況であっても、第三者から「それなら、すぐにプロに相談した方がいいよ」といったアドバイスが貰えることもあるのです。
うまく話せる? 服装は? 子連れでも平気?
第三者からアドバイスされた後、筆者は無料で法律相談ができる法テラスを利用しました。
無料とはいえ、やはりそこは弁護士なので敷居が高く感じるもの。初回は「何を着ていったらいいの?」「うまく話せるかな?」「子連れでも大丈夫?」と細かなことがいくつも気になり、不安でいっぱいでした。
実際に相談に行くと、服装に決まりがあるわけではないですし、子連れでも相談ができました。うまく話をしなければと意気込んでもいましたが、丁寧な対応と話しやすい雰囲気で会話は進みます。予め聞きたい内容をメモしていったのは役に立ちました。
相談することで、離婚に関するさまざまなこと…たとえば子どもや家、仕事、お金のことなどに対して、漠然と抱えていた不安も減りました。
相談後に振り返ってみると、今までは漠然とした大きな不安にのみこまれ、悩んだりストレスを感じていた時間が長かったように思います。相談することで「具体的に何を考え、何を考えなくてもいいか」が分かったのはありがたく思いました。
昨年、弁護士相談プラットフォームを運営する株式会社カケコムが離婚経験のある男女100人に調査を行ったところ、離婚の際に弁護士に相談した人は54%。弁護士への相談が決して珍しくないことをもう少し早く知っていれば、不安で悩んでいた時間も減らせたと思います。
同じように悩むのは自分だけではない
「自分のような悩みを抱えているのは珍しいことではない」と分かったのも、大きな収穫でした。筆者は小さな子がいての離婚だったため、仕事探しや保育園、家についても悩みましたが、同じような環境で離婚に悩まれる方は少なくありません。
弁護士への相談では今すぐできることを教えてもらえ、婚姻中は別居していても婚姻費用が貰えることや、状況によっては公的制度の利用も一つだと知りました。その後、市役所やハローワークのマザーズコーナーにも相談して、仕事や保育園についての詳細情報が得られました。
離婚前後は感情が揺さぶられるものですが、現実的に考え行動しなければならないことも多いものです。困った時ほど第三者に相談する大切さを実感しました。
筆者の時代は法テラスが利用しやすかったですが、今は「LINE弁護士相談」などオンラインでの法律相談も行えます。こうした手段を利用することで、少しハードルが下げられるのではないでしょうか。
参考資料
離婚の際の弁護士相談に関する調査(株式会社カケコム)
