2021年2月、世界一リッチな男、Amazonの創業者ジェフ・ベゾス氏(57歳)がCEOを退任することを発表しました。後任はAmazon傘下、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のCEOアンディー・ジェシー氏(53歳)です。
実は、ジェシー氏はあの奇才ベゾス氏の頭の中を常に理解しては一歩先を考え、ベゾス氏の期待を裏切らない超切れ者といわれています。
ジェシー氏の名はあまり知られていませんが、クラウドプラットフォームサービスのAWSを開発しAmazon傘下のなかで最も利益を生みだす部門に成功させていることでテック業界ではかなり有名です。なかなか興味深い人物なので詳しく調べてみました。
ニューヨークのエリート家庭からベゾス氏の「知的スパーリングパートナー」へ
ジェシー氏は恵まれた環境で育った秀才です。ニューヨーク州のスカースデールという、全米でも有名な高級住宅地で育ちました。マンハッタンから1時間以内なので、マンハッタンに勤めるエリートやセレブから人気があります。ニューヨーク駐在の日本人家庭も多いようです。
ジェシー氏はユダヤ人家庭の3人兄弟の真ん中です。父親は、ニューヨークを拠点とした企業法務を専門とする大手法律事務所のシニア弁護士。母親は、ある芸術団体の理事をつとめているということです。
ハーバード大学を卒業し、1997年にハーバードビジネススクールでMBAを取得。それと同時にAmazonへ入社し、マーケティング&ミュージック部門を担当しました。
2002年、ベゾス氏から参謀長候補として声を掛けられます。それからは約18カ月、陰のように常にベゾス氏と行動を共にし、ベゾス氏の思考回路やベゾス流ビジネスを学びました。「彼の仕事はジェフの知的スパーリングパートナーになること」だったと、当時ベゾス氏の重役アシスタントを勤めたアン・ハイアット氏は話します(※1)。
ハイアット氏によれば、ベゾス氏はジェシー氏に対して、常に陰のように一緒にいることでベゾス氏が「どんな質問をするだろうかを予想し」答えを用意したり、ベゾス氏の「考えに異議を唱えたり」と、ベゾス氏のもう一つのブレーンとなることを期待していたということです。そしてジェシー氏は、期待通りの「知的スパーリングパートナー」となり、ベゾス氏のジャブを察知出来るようになったのでしょう。