このように各社さまざまな対応をしています。しかし、価格高騰が起きる取り引きの仕組みそのものが変わらなければ、今後も起こる可能性があります。事態を受けて、経済産業省では、新電力が不足分を大手電力会社から調達する際の価格に上限を設けるなどの対策を検討しているとのことです。
今回のような事態が再び起これば、余力のない新電力会社は淘汰されていくこともあり得ます。実際に、市場価格の高騰で赤字となり、事業の一時休止に追い込まれた会社もありましたし、3月下旬には経営破綻も1件発生してしまいました。
新電力を選ぶ際には、
- 契約プランの内容に含まれるリスクは何か
- 契約した会社に有事が起きた際に、どのような対応がされるのか
──をしっかりチェックしておきたいところです。
まとめ
昨年末からの電気代高騰騒動、「電気代が安くなると思って契約したのに、想定外の値段を請求された」とびっくりした人も少なくないでしょう。
電気会社もその他もろもろの契約と同様、しっかり吟味せずに知名度や料金の安さだけにつられて契約してしまうと、後で痛い目をみてしまいます。くれぐれも「安物買いの銭失い」にはならないよう、気を付けたいものです。
参考資料
- 「『電気代8万円、ぎゃー』 新電力料金、なぜ急騰」中国新聞デジタル(2021.3.2)
- 「電気代高騰に関する重要なお知らせ」ダイレクトパワー
- 「電力取引価格の一時的な高騰に伴うお客様の電気料金ならびに当社の対応に関するお知らせ」おトクでんき
- 「電力取引価格の高騰に関するお知らせと対応について」ハチドリ電力
- 「2021年1月の卸電力市場価格高騰による影響で電気料金の分割払いについてのご案内」スタート電気
- 「電力市場高騰に伴う電気料金の影響について」新潟でんき
大中 千景