そして眼窩がくぼむと、血流も圧迫されてしまい「目の下のクマ」がうっすらと現れてきます。

たとえば若いときに徹夜作業などをしたことがある人もいるでしょう。朝には全身の疲れとこわばりで、頭蓋骨まわりは当然カチカチになっています。すると、眼窩もくぼんでしまって血流が悪くなり「クマ」ができるという仕組みです。

専門的な話は省きますが、重要なのは目のポケットである眼窩がくぼむと、当然圧迫されて「眼圧も上がる」可能性が高まるということ。

そこから先の症状には個人差がありますが、眼圧が上がって良いことはひとつもありません。老け顔やクマといった美容的な問題はもちろん、近視や目のかすみといった不調も出てきます。

また、目のポケットや筋肉が硬くなれば、眼精疲労や、それを起因とした頭痛も生まれてくるのです。

30歳でも要注意! 小さな不調こそが重篤な病気のサイン

さて、ここに出てきた「眼圧」とは、なんでしょうか。

健康診断の眼科検診を思い出してください。検診時に、検査機器に顔を載せたとたん「シュッ!」と風を当てられ、驚いた。そんな経験をもつ人も多いはずです。

じつはシュッというあの風で、「眼圧」を測定しているのです。この眼圧が正常だからこそ、眼球がフニャフニャになることなく、見る物が歪んで見えないのです。

けれど、もし眼圧が上がると、眼球に入ってきた光が正しく像を結ぶことができなくなってしまいます。さらには、眼球内の血流が悪くなり、眼球内の視神経を圧迫します。それが緑内障などの大きな目のトラブルへとつながります。

緑内障は最悪、失明につながる病気で、40代以上では20人に1人が発症します。目の酷使が増えてきたからか、最近では比較的若い30代から症状が出るケースも見られます。

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