最新の消費者物価指数は、2020年と比べると依然として上昇傾向にあります。物価高の影響で支出がかさみ、なかなかお金が増えないと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
とはいえ、将来の生活を考えたときに、貯蓄ゼロで老後を迎えたくはありません。資産を用意するには、コツをおさえながら継続的に貯金していくことが大切です。
この記事では、すぐに始められる「お金を貯めるためのコツ」を3つ解説します。
1. 【単身世帯】平均貯蓄額と「貯蓄ゼロ」の世帯割合をチェック
まずは、単身世帯の年代別の平均貯蓄額と、貯蓄のない世帯を確かめていきましょう。J-FLEC(金融経済教育推進機構)によると、貯蓄額の平均・中央値、貯蓄ゼロの世帯割合は以下のような結果となっています。
1.1 貯蓄額(平均値と中央値)
- 20歳代:平均値161万円・中央値15万円
- 30歳代:平均値459万円・中央値90万円
- 40歳代:平均値883万円・中央値85万円
- 50歳代:平均値1087万円・中央値30万円
- 60歳代:平均値1679万円・中央値350万円
- 70歳代:平均値1634万円・中央値475万円
1.2 貯蓄ゼロ(金融資産非保有)
- 20歳代:36.6%
- 30歳代:33.4%
- 40歳代:33.3%
- 50歳代:40.2%
- 60歳代:27.7%
- 70歳代:27.0%
富裕層がいるため平均値は1000万円を超える場合もありますが、中央値は70歳代でも500万円に満たない状況です。退職を迎える60歳代までは中央値が2桁と、単身世代の貯蓄額は決して多くないといえます。
一方、貯蓄ゼロの世帯は、どの年代でも4分の1以上存在する結果となっています。とくに50歳代は40%以上と、厳しい貯蓄状況のまま老後に突入する可能性が高くなっている状況です。
では、二人以上世帯でも同様にチェックしてみましょう。
2. 【二人以上世帯】平均貯蓄額と「貯蓄ゼロ」の世帯割合をチェック
J-FLEC(金融経済教育推進機構)によると、二人以上世帯の貯蓄額の平均・中央値、貯蓄ゼロの世帯の割合は以下のとおりです。
2.1 貯蓄額(平均値と中央値)
- 20歳代:平均値383万円・中央値84万円
- 30歳代:平均値677万円・中央値180万円
- 40歳代:平均値944万円・中央値250万円
- 50歳代:平均値1168万円・中央値250万円
- 60歳代:平均値2033万円・中央値650万円
- 70歳代:平均値1923万円・中央値800万円
2.2 貯蓄ゼロ(金融資産非保有)
- 20歳代:22.8%
- 30歳代:24.5%
- 40歳代:25.7%
- 50歳代:29.2%
- 60歳代:20.5%
- 70歳代:20.8%
二人以上世帯の場合、世帯としての収入は単身世帯よりも増えやすいため、平均値・中央値ともに単身世帯よりも増えています。
貯蓄ゼロの世帯についても、どの年代でも2〜3割程度となっています。とはいえ、5世帯に1世帯は貯蓄がない状況であり、厳しい老後を迎える世帯は決して少なくないといえるでしょう。
次章では、今日から始められる「貯蓄を成功させるためのコツ」を3つ解説します。
3. 今日からできる「お金を貯めるためのコツ」3選
お金を貯めるコツとして、以下の3つを意識してみましょう。
- 家計を「可視化」してみる
- 貯金は「支出よりも先」に
- 見直すのは食費ではなく「固定費」
お金を貯めるには、収入と支出の流れや、支出額の見直しが大切です。どれも簡単にできることなので、すぐに始めてみましょう。
3.1 家計を「可視化」してみる
お金が貯まらない要因としては「何にお金を使っているのか」「いくらお金が出ていっているのか」を把握していないことが挙げられます。そのため、まずは家計を可視化し、お金の流れを見えるようにしてみましょう。
手作りの家計簿を作成するのもよいですが、銀行口座やクレジットカードと連携できる家計簿アプリや、クレジットカードアプリなどを活用すると、簡単にお金の流れが見えるようになります。
「まずは1週間だけ」「趣味にかけているお金だけ」といった小さな範囲から始めてみて、お金の流れの現状を把握してみましょう。お金の流れが見えれば「どの支出を減らすべきか」「削減できるお金がないか」なども自ずと考えられるようになります。
3.2 貯金は「支出よりも先」に
貯金をするうえで重要なのは「支出よりも先に貯金を済ませてしまう」ことです。給料が入ったらまずは一部を貯金にまわす「先取り貯蓄」を実践することで、お金を貯めやすくなります。
余ったお金を貯金する場合、月によっては「もう少し使いたい」「また来月貯金にまわせばいい」と考えてしまい、収入をすべて使い果たしてしまう可能性があります。先に収入の一部を貯金してしまうことで「残ったお金で支出をやりくりする」習慣を身につけられるのです。
銀行で「自動積立定期預金」を始めたり、自身で貯蓄用口座を開設してお金を預けたりすれば、先取り貯蓄を実践しやすくなるでしょう。
3.3 見直すのは食費ではなく「固定費」
支出を見直す際に手をつけるのは、食費や日用品費のような変動費ではなく「固定費」を削減するようにしましょう。主な固定費は以下のとおりです。
- 通信費:スマホ料金やインターネット料金
- 保険料:生命保険・医療保険など
- サブスクリプション:動画視聴サービスなど、月毎に料金がかかるもの
たとえば、通信費については、大手キャリアから格安SIMに変更する、インターネットとスマホキャリアをセットで契約して割引を受ける、といった形で削減ができます。
また、保険料は、過剰な保障内容になっていないか確かめ、現在の自分の状況に合ったものにすると料金削減につながります。とくに高齢になり子育てが終了している場合は、保障内容が過剰なケースがあるため、一度見直してみるとよいです。
サブスクリプションについては、不要なものを解約したり、気が向いたときだけ月単位で契約したりすれば、そのサービスにかかる費用を抑えられます。ただし、生活の質が下がらないよう、日常において必要なものは、契約継続を検討しましょう。
4. まとめ
貯蓄がゼロの世帯は単身世帯で約3〜4割、二人以上世帯で約2〜3割存在します。貯蓄がまったくない状況で老後を迎えると、年金だけで支出を賄わなければならず、厳しい生活が待っていると推測されます。
お金を貯めるためのコツをおさえて貯金の習慣を身につけ、老後に困らない程度の資産を用意していくのが重要です。
貯蓄が順調に進んできたら、資産運用でさらに増やすことを検討してみてもよいでしょう。
参考資料
石上 ユウキ