「繰下げ受給」「繰上げ受給」の注意点
年金受給時期をずらす「繰下げ受給」「繰上げ受給」を検討する場合に、気を付けておきたい点がいくつかあります。
まず、「繰下げ受給」「繰上げ受給」ともに、いったん請求したあとは取り消しや変更ができません。ご自身の経済状況や健康状態を考慮したうえで、慎重に検討する必要があります。
繰下げ受給の最大のメリットは年金の増額率でしょう。とはいえ、「年金受給が始まるまでの資金をどうするか」「受給を後ろ倒ししたところで何歳まで生きられるか」といったハードルがあり、決して普及率が高いとはいえない現状です。
また、繰上げ受給をした場合、いったん減額された年金額は一生涯変わらず、本来の年金支給開始年齢である65歳になっても戻りません。
また、万が一の際に障害年金を受け取れなくなる場合などがあります。その他のデメリットについても、日本年金機構「繰上げ請求の注意点」で確認しておきましょう。
あなたは「何歳から」年金をもらい始めますか?
年金は減額されるけれど、本来の65歳よりも前倒しで受給できるのなら、そこまで損はしないのでは?と感じる人もいらっしゃるかと思います。
とはいえ、2019年の日本人の平均寿命は「女性87.45歳、男性が81.41歳」。
この平均寿命まで生きていた場合、トータルの受給額ではかなりの差が出てくるでしょう。
繰下げ受給・繰上げ受給ともに、申請を検討した場合は、ご自身の貯蓄状況や健康状態とよく相談したうえで、慎重に判断していきましょう。
参考資料
- 日本年金機構「年金の繰上げ・繰下げ受給」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
- 日本年金機構「年金の繰上げ受給」
- 厚生労働省「年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました」
- 厚生労働省「令和元年簡易生命表の概況」