ウインターシーズンの不振で投資家が離れていますが、前年のグリーンシーズンで得たアウトドア需要の手応えを、この春以降、どれだけ生かせるかが今後のカギとなるかもしれません。

昨年7月には、めいほう高原(めいほうスキー場)にカヌーやバギーが体験できるアクティビティエリア「ASOBOT」をオープンし、キャンプ場とともに来場者拡大につなげました。

鹿島槍スポーツヴィレッジ(鹿島槍スキー場)にもキャンプ場の新設を計画しており、白馬岩岳マウンテンリゾート(白馬岩岳スノーフィールド)では“リゾートテレワーク”の提案をするなど、コロナ禍をチャンスに転じる動きも見られます。

グリーンシーズンの売上高は2019年7月期に15.7億円まで伸びましたが、翌年度は減収に。中期計画では20億円突破・売上比率30%を目標にしてきましたが、3月5日に今期の通期予想を「未定」に修正するなど、先行きの不透明感は否めません。

まとめ

NSDは当初、2020年7月期にプラス業績を見込んでいましたが、コロナに阻まれ減収減益となりました。団体客やインバウンドは回復のメドがつきませんが、グリーンシーズン向けの新施設などで国内の集客を図っています。

コロナ下で密を避けやすいアウトドアの人気は上昇しています。同社の成長戦略が対コロナ戦略としても有効に働くことを期待したいものです。

参考資料

山口 伸