3月も下旬になると、早いスキー場では営業を終了。この冬は雪に恵まれたものの、パウダースノーを求めてやってくる外国人旅行客はコロナ禍でほぼ消滅、国内の団体ツアーも激減し、スキー場運営会社は大なり小なり打撃をこうむっています。
日本で唯一のスノーリゾート運営を主体とする上場企業、日本スキー場開発(6040)も、インバウンドや団体客比率の高い施設では来場者数が半分近くになるなど悪影響を受けています。その一方で、スキー場を閉じているグリーンシーズンの需要を拡大するため、施設の拡充を図るとしています。
日本スキー場開発(以下、NSD)は、一体どのような事業展開を構想しているのでしょうか。
冬季レジャーからオールシーズンのリゾートへ
国内のスキー・スノーボード人口は1998年の1800万人をピークにその後は減少が続き、2016年には約3割の規模に縮小。スキー場を取り巻く環境は厳しさを増しています。
たしかに外国人旅行客は増加していますが、さらなる拡大のためには “スキー場”から“リゾート地”へ転換し、魅力を高める必要があると言われています。これは国内の利用者を増やすためにも必要な部分でしょう。
そのような環境下で、NSDが推進しているのが「オールシーズン」の事業展開です。