「母子世帯」は貯蓄がない世帯も多い

夫との間に修復不可能な問題が発生しても、離婚という選択肢を簡単には選べない女性が多いのも事実。そこには金銭的な問題という大きな課題が横たわっています。実際、母子世帯の貯蓄額はどのくらいなのでしょうか。

厚生労働省の「国民生活基礎調査(2019年調査)」(各種世帯の所得等の状況)を見ると、全世帯の平均貯蓄額が1077万4千円であるのに対し、母子世帯の平均貯蓄額は389万8千円でした。また、全世帯では「貯蓄がある」と答えた人が81.9%と8割を越えていますが、母子世帯では65%にとどまり、3割近くの母子世帯が「貯蓄がない」と答えているのです。

このように、母子世帯をとりまく環境を貯蓄面から見てみると、平均的な世帯と比べて苦しい家計運営であることが垣間見えます。もちろん個人差が大きい部分ではありますが、このデータだけ見てみれば、多くの主婦が離婚を思いとどまる理由として「金銭的な問題」をあげるのも納得の結果だといわざるをえないでしょう。