新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるパンデミックが始まって約1年が経ちました。ワクチンも開発され少しずつ明るい兆しが見えてきたとはいえ、いつになれば今まで通りの生活に戻れるのかは未だに不明です。

今まで前向きに頑張ってきた人達でもさすがに1年も制限された生活が続くと、いい加減疲れが出てきた、という人も多いようです。筆者もその1人です。筆者の体験をもとに、まだしばらく続きそうな制限された環境でのストレスとモチベーションマネジメントについて考えます。

うつ状態になった筆者

基本的に丈夫な性格の筆者は1年間なんとか前向きに過ごしてきました。筆者は元々在宅ワークですので、コロナ禍で急に働き方に変化が出たわけではありません。子どもの面倒をみるわけでもない、経済的なダメージを受けたわけでもありません。こうして、比較的ダメージが少ないことから、この1年間の口癖は「自分よりも大変な人がいるのだから文句は言えない」でした。

しかし、2021年に入ってから徐々に「日本の家族や友人に会いたい」「また次のパンデミックがくるのではないか」「このまま、ずっと帰国できないのではないか」と、どんどんネガティブ思考のスパイラルへ陥ってしまいました。ちょっとした出来事でイライラしたり、いつまでもくよくよと考え睡眠も浅くなってきました。

「感情のごまかし」を続けると…

実は、「ネガティブな感情を押し殺すことは良くない」という複数の研究結果があります。筆者の場合は、比較的ダメージが少ないのだから文句は言うべきではないと、不安な気持ちやフラストレーションを無理に押し殺していたように思います。

無理に笑ったりエクササイズをしたり、現状をあまり真剣に考えないようにしていました。しかし、押し殺していた感情が段々大きくなり、日々のモチベーションが下がってしまいました。そのうえ、ダラダラする自分が情けなく、それがさらなるストレスになってしまっていたのです。

心理学に「The acceptance paradox (自己受容の矛盾)」とう言葉があります。自分の負の感情を批判せずきちんと向き合い受け入れてみると、逆にその感情が弱まり、自己の変化と成長に繋がるということです。

タイムマネジメントコーチのエリザベス・グレース・サンダース氏はハーバード・ビジネス・レビューの記事(※)のなかで、怒りやフラストレーション、嫌気などの「負の感情」をまずは受け入れてから、その感情を外に解き放つ健康的な方法を考えるといいといいます。

例えば、車の中で1人で大声で「何が不安なのか」「何に怒っているのか」叫んでみるのもいいかもしれません。筆者の場合は、日記というか気が向いた時に、起こった事や心配事、不安な気持ちを書き出すことを始めました。そして不安な時は、家族や友人に正直に話すことにしました。すると何故かモヤモヤした気持ちが落ち着くことに気が付きました。

自律性がストレスを軽減

一度主体的に感情を受け入れ整理したうえで、日々の生活や仕事へのモチベーションをあげられる可能な事を考えてみてください。自分の感情を受け入れた上で行動を選ぶことは、曖昧に感情を押し殺し無理に行動を起こすことよりもストレスが少なくなる、と前述のサンダー氏はいいます。

最近はどう1日を過ごすか、どんなルーティンなのかと生活自体を動画にするYouTuberが増えているようです。このような動画を見ることで、他の人の生活への向き合い方が刺激になり、モチベーションもあがるかもしれません。しかし、つい時間を無駄に過ごしてしまったり、楽しそうに過ごしている他人と自分を比べて落ち込んでしまったりすることもありますので、ほどほどにした方が良いでしょう。

また、インターネットの雑音から離れ本を読むこともいいかもしれません。小説の世界に浸ることは、動画やテレビとは違いイメージを押し付けられないので想像力が豊かになります。

在宅ワークでモチベーションをあげる方法

家で1人で仕事をしている場合、仕事へのモチベーションを保つのも大変です。家にいるとなかなか集中出来ません。そこでサンダー氏は「オンライン・コワーキングの利用」をすすめています。カメラを使って一定の時間、見知らぬ人と各々の仕事に専念するよう監視し合うというオンラインのコワーキングスペースを提供するサイトは増えています。

1人で家にいるとパジャマのままだったり、つい間食してしまったりとだらしなくなりがちです。また、つい他のことに目が行ってしまったりと集中しづらい時もあります。誰かに見られていると思うと、きちんと身支度もしますし、緊張感がでます。「3時間頑張ろう」など、時間を制限してメリハリもつけやすくなります。

行き場のないどんよりとした感情を抱えている方は、一度自分の感情とじっくり向き合ってみるといいかもしれません。それから、モチベーションがあがることをあれこれ試してみてください。そんな事をしているうちにコロナトンネルの先は見えてくるのではないでしょうか。

参考資料

美紀 ブライト