まとめにかえて
今回は、年金受給開始を前倒しにする「繰上げ受給」にフォーカスしてみていきました。
最後のデータからは、厚生年金・国民年金、どちらも本来の65歳から受け取っているケースが圧倒的多数を占めている、ということが分かりました。
現役時代に老後資金をしっかり準備する、定年退職後もはたらき続ける、といった自助努力を続けているご家庭が多いことが垣間見える結果ともいえるでしょう。
また、厚生年金・国民年金を比較した場合、繰上げ受給をしている人の割合は国民年金のほうが高いという結果になっています。
厚生年金加入者の中には、60歳前後で定年退職金としてまとまった資金が入る人が多い、ということも、少なからず影響していると考えてよいかと思います。
また、繰上げ受給とは反対に、受け取りを遅らせて年金額を増やせる「繰下げ受給」を行っている人は、厚生年金・国民年金ともにほんのわずか。全体の1%前後にとどまっています。
やはり、「受給開始までの期間の生活をどうやって乗り切るのか」を考えたとき、繰下げ受給という選択肢を選びにくいのが実情かもしれませんね。
「厚生年金・国民年金」どちらの加入者であっても、公的年金だけを頼りにする老後はこころもとないと考えていらっしゃる方は多いでしょう。
人生100年時代。長い老後を見据えたお金の計画は、できるだけ早いうちにスタートされることをおすすめします。
参考資料
- 厚生労働省「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「老齢基礎年金の繰上げ受給」