東日本大震災から10年が経ちました。

日本は地震大国と言われており、国土面積は小さい島国にも関わらず、世界で発生するマグニチュード6以上の地震の約20%が日本で発生しています。

今後起こるかもしれない大震災に備えるために、地震保険の加入を検討している人も少なくないでしょう。

一般社団法人日本損害保険協会公表の「地震保険 都道府県別世帯加入率の推移」を見ると、震災以降、地震保険の加入率は毎年増加しています。

2010年度の全国の地震保険の世帯加入率は23.7%でしたが、2019年度には33.1%となっています。およそ3軒に1軒が加入している割合です。

最も加入率の高い都道府県は宮城県で52%、次に多いのが愛知県で43%、3番目に多いのが熊本県で42.8%と、およそ2軒に1軒の割合です。

今年2月には福島県沖で震度6強の地震がありました。

今後起こりえる大地震に備えるために、今回は地震保険とお金について見ていきたいと思います。

地震保険はどんな保険か

まずは地震保険の内容について見てみたいと思います。

地震保険とは、地震や噴火、津波によって建物や家財が損害を被った時に保険金が支払われる損害保険です。

住宅ローンを組んで持ち家を取得する際、ほとんどの場合、火災保険への加入が必要となります。

地震保険は単独で契約することができませんので、加入中の火災保険とセットで契約します。

地震保険の契約金額は、火災保険の契約金額の30%~50%の範囲内で設定可能です。

ただし、限度額は建物が5000万円、家財は1000万円と定められています。

建物や家財の損害状況によって、下記のとおり保険金が支払われます。

建物・家財(平成29年1月1日以降が保険始期の地震保険)

  • 「全損」・・・地震保険の保険金額の100%(時価額が限度)
  • 「大半損」・・・地震保険の保険金額の60%(時価額の60%が限度)
  • 「小半損」・・・地震保険の保険金額の30%(時価額の30%が限度)
  • 「一部損」・・・地震保険の保険金額の5%(時価額の5%が限度)

万が一、これから大規模地震が起こり保険金の請求が相次いだ場合、「保険金の支払いは大丈夫なのか」と不安に思う人もいるかもしれません。

実は、地震保険は民間保険会社が負う地震保険責任を、政府が再保険することによって成り立っています。

そのため、1回の地震等による総支払限度額は11.7兆円と、関東大震災クラスの大地震が発生しても保険金の支払いが可能な範囲として設定されています。

ちなみに最近の支払い保険金額を見てみると、平成28年熊本地震で支払件数が24万7048件、支払保険金は3772億8766万9千円でした。

地震保険だけでは家を元通りに再建できない可能性もありますが、被災後の生活再建の大きな助けになってくれるでしょう。

地震保険の保険料はどれくらいか

できれば加入しておきたい地震保険ですが、保険料はどれくらいかかるのでしょうか。

先述のとおり、地震保険は民間の損害保険会社と政府が共同で運営しているため、どこの保険会社で加入しても補償内容や保険料は同じ内容となっています。(※住宅金融支援機構特約火災保険にセットする地震保険などは保険料が異なる場合があります。)

地震保険の保険料の基本料率は今年1月に改定されています。

例えば保険金額1000万円あたり保険期間1年につき定められた保険料は、東京都・神奈川県・千葉県・静岡県で2万7500円(主として鉄筋・コンクリート造建物等)、4万2200円(主として木造建物等)で、都道府県で最も高い保険料となっています。(※木造建物でも「耐火建築物」、「準耐火建築物」および「省令準耐火建物」等に該当する場合は、2万7500円ととなります。)

他にもみてみると、熊本県は7400円(主として鉄筋・コンクリート造建物等)、1万2300円(主として木造建物等)、宮城県は1万1800円(主として鉄筋・コンクリート造建物等)、2万1200円(主として木造建物等)です。

このように、保険料は済んでいる都道府県や建物の構造によって決まります。

ただし、建物に免震・耐震性能がある場合は、それに応じた割引制度もあります。

「災害で住宅ローンが返済が困難」どうすればよいか

住宅ローンを返済中に大規模災害が起こった場合、倒壊した住宅の返済が難しくなることが想定されます。

再び新築住宅を取得しなければならない場合、二重ローンに苦しむことになるかもしれません。

大規模災害で住宅ローンの返済が難しくなった場合には、住宅ローンを利用している金融機関に相談しましょう。

「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」により、住宅ローンなどの免除・減額を申し出ることができます。

このガイドラインの手続き着手を希望することを金融機関に申し出ることにより、弁護士など「登録支援専門家」の支援を無料で受けることができます。

また、個別の状況にもよりますが、財産の一部を手元に残して債務の整理が可能です。

さらに債務整理をしたことが個人信用情報に登録されないため、新たに住宅ローンなどの借り入れをする場合に影響が及びません。

ちなみにこのガイドラインは新型コロナウイルス感染症の影響でローンが返済できない個人・個人事業主で一定の要件に該当する場合も利用できる場合があります。

おわりにかえて

今回ご紹介した制度以外では「被災者生活再建支援制度」があります。

指定を受けた災害で、生活基盤に著しい被害を受けた世帯に対して最大300万円の支援金が支給されます。

支援金がもらえるのは、打撃を受けた家計にとって心強い支援ではありますが、受給するまでに時間がかかることが予想されます。

万が一の場合の生活資金は、できれば、あらかじめ自助努力で準備しておく必要があります。

流動性の高い預貯金を持っておくことも大事ですが、その他の方法として保険を活用することを検討してみるのも良いかもしれません。

地震には地震保険、病気や入院には医療保険、死亡や高度障害には生命保険。保険は人生のあらゆるピンチに応じた保障を提供してくれます。

また、貯蓄型の保険だと非常事態に備えることができるのと同時に、老後生活資金も合わせて準備することが可能です。

自分のライフステージに合わせてお金の備えができると安心ですね。

自分にどんな保障が必要で、老後にどれくらいのお金が必要かは、資産運用のアドバイザーと一緒に見直すと不安が解消できるでしょう。

無料相談サービスなどを有効に利用できるとよいですね。

備えあれば憂いなし。今年こそは備えをしっかり見直してみてはいかがでしょうか。

参考資料