昨年の春、といえば初の緊急事態宣言の下で大規模な商業施設が続々と臨時休業し、東京ディズニーランドも休園に踏み切るなど、レジャー分野全体に暗雲が立ち込めていたような印象があります。

しかしアウトドア関連の企業の中には、一時的な落ち込みの後、好調に転じたところも少なくありません。

スポーツアパレルメーカーのゴールドウイン(8111)もその一つです。年度後半からアウトドア関連の販売を大きく伸ばし、今期第3四半期累計(4〜12月)のアウトドア関連売上高は過去最高を記録しました。この勢いは来期も続くのでしょうか。

3密を避けられるレジャーとして人気のアウトドア

アウトドアレジャーは、3密を避けやすいことから心理的なハードルも低く、コロナ禍の中で急速に人気が高まりました。

企業の業績にもそれが表れています。例えば、釣り・サイクリング用品を製造するシマノ(7309)は2020年12月期の連結業績で増収増益を記録。キャンプ用品などを販売するスノーピーク(7816)も、2020年12月期の売上高が前年比2ケタ増、当期純利益は3ケタ増と好調でした。

近年成長を続けているゴールドウインも、アウトドアへの追い風を受けましたが、昨春のコロナ感染拡大期に直営店の多くを一時休業したことが響き、2021年3月期は減収減益の見込みです。とはいえ、新たな顧客層の発見やECサイトのリニューアル効果など、今後に活かせる収穫もあったようです。