日本の年金制度は「現役世代が納めた保険料が、その時々の年金受給者世代への支払いに充てられる仕組み」が中心になっています。

少子高齢化が進むこんにち、長期化するコロナ禍への不安もあいまって、「今、自分たちはマジメに年金保険料を納めているけれど、果たして老後にモトはとれるのか?」

などと、公的年金への不安を感じる人が増えても不思議ではないでしょう。

今回は『年金をマジメに払うのが賢明なワケ』と題して、その不安や疑問について考えていきたいと思います。

ねんきん制度は「2階建て」

まずは、日本の年金制度のキホンをおさらいしておきましょう。

1階部分「国民年金」

日本に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務

2階部分「厚生年金」

公務員や会社員などが「国民年金」に上乗せで加入


支給開始年齢はどちらも原則65歳です。受給資格を満たしている場合に受け取れる年金は以下の通りです。

厚生年金に加入していた人(サラリーマン・公務員)

「老齢基礎年金」+「老齢厚生年金」(1階部分+2階部分)

国民年金のみに加入していた人(自営業、フリーランス、専業主婦(夫))

「老齢基礎年金」(1階部分のみ)

「厚生年金」の受給額はどのくらいなのか

ここからは、サラリーマンとして民間企業で働いた人が老後に受給している「厚生年金」についてみていきます。

厚生労働省が公表している「令和元年(2019年)度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険(第1号)の月額階級別受給権者数は以下のとおりです。

厚生年金:男性

30万円~:1万7000人
25~30万円:28万8000人
20~25万円:224万9000人
15~20万円:436万9000人
10~15万円:261万3000人
5~10万円:97万6000人
1~5万円:6万5000人
~1万円:8万5000人

厚生年金:女性

30万円~:(1000人未満)
25~30万円:4000人
20~25万円:6万3000人
15~20万円:41万2000人
10~15万円:218万2000人
5~10万円:234万1000人
1~5万円:28万1000人
~1万円:3万3000人

厚生年金の平均年金月額

全体:14万4268円 (男性:16万4770円 女性:10万3159円)

厚生年金の平均年金月額の男女差は、約6万円ほどですね。

次では、現在の「国民年金」の受給額についてみていきます。