②3号分割制度
3号分割制度は、合意分割制度では合意がまとまらないケースがあるため、第3号被保険者保護の観点から設けられた制度です。
2008年5月1日以降に離婚をした方は、第3号被保険者からの請求により、結婚していた間の相手方の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)の1/2を分割することができます。
強制的に1/2という点がポイントです。
- 婚姻期間中に2008年4月1日以後の国民年金の第3号被保険者期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)があること(共済組合などの組合員である期間を含む)
- 請求期限(原則、離婚等をした日の翌日から起算して2年以内)を経過していないこと
という条件を満たせば、合意分割制度と同様、自分の国民年金に相当額を加算して受取ることができます。
ただし本人に年金受給資格がないと分割も受けられない
ただし年金受給を受ける本人が、年金受給資格がない(保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間の合計が25年以上にない場合など)場合には、せっかく年金分割をしても年金が受け取れないことになるため注意が必要です。
国民年金の方が「年金格差」を縮めるためには?
厚生年金と国民年金の「年金格差」は離婚後の受取年金額にも関係してくることが分かりました。
そして離婚後、シングルとなった場合の収入減は夫婦でいた時よりも更に重くのしかかります。
年金の分割制度を利用できない国民年金受給者の方は、国民年金基金やiDeCoといった優遇税制措置のある仕組みで、年金受給額を増やす自助努力をおすすめいたします。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「離婚時の年金分割」
アフィリエイテッドファイナンシャルプランナー(AFP)/JSA認定ソムリエ/元歌舞伎役者 杉浦 直樹