眼科医と企業が行ったアンケート結果(対象:全国の20~69歳一般男女[関連職業は除く]、合計1000人)によると、コロナ禍で学校や職場でモニターを見る時間が長くなり「視力低下」や「ドライアイ」に悩む人が増え、NHKなどのメディアも「テレワーク病」として報じ始めています。

じつは、これらを放置すると大きなトラブルにつながる可能性が高いそうです。そこで、拙著『手のひらマッサージで目の不調がスッキリ整う 眼圧リセット』をもとに、薬も道具も使わない、自宅でできるセルフケアの方法を解説したいと思います。

ステイホーム中の「視界がぼやける」「目の充血」「頭痛」は、新たな国民病の前ぶれ

コロナ禍の日本人の目にとって、最大の宿敵といえるのが「緑内障」です。国内では、「失明する原因の1位」としてよく知られています。

緑内障とは、ひとことで言うと「視野が欠けてくる病気」。その患者さんは40代から増え始め、あるデータによると40歳以上で20人に1人、70歳以上で10人に1人。シニア世代の国民病ともいえます。

その初期症状として気を付けたいのは、「近視」による視力低下です。近視が進むと、失明につながる病気にかかりやすくなります。「強度の近視の人」は、そうでない人にくらべて、目の病気のリスクが高まるのです。たとえば「緑内障」になる可能性は3.3倍も上昇する、という調査結果も出ています。

いまコロナ禍によるテレワークで、「近視」になる人が増えています。最初はちょっとした「目の不調」かもしれません。けれどそれらは将来的に、あなたの目に重大な症状をもたらす危険性があるのです。

さて、緑内障の原因には諸説ありますが、「眼圧が上がることで視神経が傷むこと」が主な原因のひとつとされています。眼圧が上がると眼球内の血流が悪くなり、眼球内の視神経を圧迫します。それが緑内障へとつながります。

「眼圧ってなんですか?」

そんな疑問をもった人は、健康診断の眼科検診を思い出してください。検診時に、検査機器に顔を載せたとたん、「シュッ!」と風を当てられ、驚いた。そんな経験のある人も多いはずです。何を測定しているか、意外とご存じない方も多いのではないでしょうか。

じつはシュッというあの風で、「眼圧」を測定しているのです。この眼圧が正常だからこそ、眼球がフニャフニャになることなく、見る物が歪んで見えないのです。