保険には、将来起こりうる危険を経済的にカバーすることによって「不安を取り除く」という役割があります。
そこで保険に加入される方の中には、子育てや健康、老後生活に不安を感じるあまり、それら全てを保険でカバーしようとする方がいらっしゃいます。
ただそうなると、生命保険、医療保険、介護保険、学資保険など、多くの保険に加入した結果、高額な保険料の支払で貯蓄ができない方も出てきます。そしてキャッシュフローが枯渇し、「老後破産」してしまうという本末転倒の結果になってしまう可能性があるのです。
そこで今回は、
- 元保険営業マンである私が見た「老後破産」になりかねない保険の選び方
- 老後を見据えた保険の考え方
- お金のかかる「がん」と「介護」を保険でカバー
といった内容について、くわしくお伝えしてまいります。
全てを保険でカバーしようとすると「老後破産」の可能性も?
遺族の生活費、医療費、介護費、教育費・・・、これら全てを保険でまかなおうとするのは現実的ではありません。
過度な保険料の支払いは、老後生活にまで影響を与えてしまうのです。
貯蓄性の高い保険は保険料が高い
いざという時は保険金が支払われ、何事もなければ将来解約して増えた解約返戻金を受取ることができる。そんな貯蓄性の高い保険は「一石二鳥」という点からも、保険と貯蓄の両方を叶えたい人にはぜひ検討していただきたい商品です。
ただ掛け捨て保険とは異なり、保険に貯蓄機能がついているということは、当然のことながらその分毎回の保険料が高額になります。
保険料の払いすぎでキャッシュフローが減少
もちろん家計に余裕がある分には貯蓄性の高い保険を活用するのはメリットの多い方法です。
しかしあまり余裕がないのに「お得だから」ということで高額な保険料を払い続けると、キャッシュフローが減少し、急な出費に対応できなかったり、貯蓄が出来なくなって将来の老後資金が不足したり…といった事態に陥る可能性があります。
低金利時代は「保険」と「貯蓄」を切り離すという手も
金利の高い時期であれば、一般的な預貯金よりも積立利率が高く、貯蓄性の高い保険商品は魅力的です。
しかし現在のような低金利が続く時代においては、大きな利回りというメリットはあまり享受できません。さらに「簡単に解約して現金化する」という流動性に欠ける分、デメリットが目立ってしまう可能性があります。
そこで低金利時代においては、「保険」と「貯蓄」は切り離し、保障は掛け捨て保険などでコストを抑え、浮いたお金は貯蓄に回して将来に備えるという手を検討するのも良い考え方です。
「保険で貯金」は考えずiDeCoやNISAを活用
また貯蓄に回したお金の一部をiDeCo(個人型確定拠出年金)やNISAといった「税制優遇措置」のある投資に振り分けるというのも、低金利時代においては有効です。
また保険商品であれば、運用の結果によって将来の死亡保険金や満期保険金など、受け取る額が変動する「変額保険」を一部取り入れるというのも良いかもしれません。