さいごに
先ほど触れたように、定期的な収入が減り、前の年より資産が目減りした、という60代世帯は珍しくないわけですね。
「貯蓄に本腰を入れるのは還暦過ぎてからで大丈夫だろう」と先延ばしにしてしまうと、再就職がうまくいかなかった場合や、健康面で不安が生じた場合には、その計画が崩れることも考えられます。
さらにいうと「老朽化した自宅をなおす」「ご家族の介護が必要となる」といった、シニア特有の大型出費が発生する可能性もあるわけですよね。
老後の入り口である60代の時点で、ある程度まとまった金額を準備して備えておくことで、セカンドライフの安心度は変わってくるでしょう。
さらにいうと、60代から資産形成を始めることは決して簡単とはいえません。60代になると資産運用で使える手段が限られてしまうからです。
「人生100年時代」と言われるこんにち。何も対策を行わないまま70代以降の本格的な老後生活に入ることは、非常にリスクが高いといえるでしょう。
60代前後から資産運用を始めてみよう、と検討された場合は、お金のプロのアドバイスをうけながら、ご自身の状況にあう「お金の育て方」を見つけていかれることをおすすめします。
【参考】
「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2019年(令和元年)平均結果-」総務省
「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和元年調査結果」金融広報中央委員会