もうすぐ3月。窓から差し込む柔らかい光が、コロナ禍の憂鬱をいくばくか和らげてくれる気配がしますね。
春は別れと出会いの季節。熟年世代のみなさんの中には、長い現役生活にピリオドを打たれ、定年退職される人も多いでしょう。
サラリーマンや公務員といった「おつとめ」の皆さんの多くが、老後生活の原資として期待するのが退職金かと思います。
その中でも、特に公務員の退職金は多そうだ、というイメージを持たれる方も少なくないのでは?
今回は、その中でも国家公務員の退職金について、「3000万円を超えている人」がどのくらいいるのか、そして、「3000万円超える条件」などについて、内閣官房公表の資料などをもとに深掘りしていきます。
国家公務員の退職金、平均どれくらいもらえるの?
まずは国家公務員の公務員が退職金の平均支給額を見ていきます。
内閣官房公表の「退職手当の支給状況(令和元年度退職者)」によると、退職理由別退職手当受給者数及び退職手当平均支給額は以下の通りです。
常勤職員(カッコ内は受給者数)
- 定年:2090万6000円(1万2714人)
- 応募認定:2588万1000円(1597人)
- 自己都合:316万1000円(7501人)
- その他:201万6000円(1万763人)
- 計:1082万2000円(3万2575人)
うち行政職俸給表(一)適用者
- 定年:2140万8000円(3825人)
- 応募認定:2278万円(902人)
- 自己都合:362万7000円(1377人)
- その他:265万8000円(1009人)
- 計:1548万円(7113人)
注)「その他」には、任期制自衛官等の任期終了(常勤職員)や死亡等による退職が含まれています。
国家公務員は、その職務や勤務条件などによって11種17表に分類されています。行政職俸給表(一)適用者とは、一般行政事務職員を指します。
いかがでしたでしょうか。国家公務員と聞くとさぞ退職金もたくさんもらえるのだろうと思いますが、常勤職員の定年退職金でも2000万円程度です。
これは国家公務員の退職給付の水準を民間企業の退職金を比較して見直しを行っているためです。
平均値を見ていると3000万円には届いていないことが分かります。