老後格差はなぜ生まれるか
金融資産を保有している世帯の中央値は1000万円、金融資産を保有していない世帯を含めた中央値は460万円となっていました。
このことからも、貯蓄がある人とない人の間に貯蓄の格差が広がっていることがわかります。
なぜこのような老後格差が生まれるのでしょうか。
内閣府が、日本と諸外国の高齢者の生活意識を把握するために実地した「平成27年度 第8回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査結果」を参考に検証したいと思います。
「老後の生活費に対する備え」の項目で、「50歳代までに、老後の経済生活に備えて特に何かしていたか」という質問があります。
この問いに対する結果を見てみましょう。結果は下記のようになっています。
- 預貯金:46.6%
- 個人年金への加入:19.6%
- 債権・株式の保有、投資信託:7.1%
- 特に何もしていない:42.7%
注目して頂きたいのは、「特に何もしていない」と答えた方の割合です。
実に約4割を越える人が、何の準備もされてないという結果になっています。
これは「老後に対する不安はあったもののどうしていいか分からず、老後対策ができなかった」人がいることを示しています。
このことが上記の老後格差に繋がっていった可能性があると推測します。