コロナ禍で迎えた初めての冬。
大学入試のシーズンもようやく終盤を迎えつつあります。新たに導入された大学入試共通テストもスタートし、受験生たちにとっては、あまりにも過酷な冬でした。
文部科学省の調査(※1)によると、2020年度、大学への進学率は54.4%(前年度比0.7%上昇)で、過去最高となりました。
また、奨学金を利用している学生も多く、独立行政法人日本学生支援機構の調査(※2)によると、何らかの奨学金を受給している学生(大学・昼間部)の割合は約半数、47.5%にも上ることが判明しています。
このように、こどもたちが全力を傾ける大学受験ですが、学歴は人生にどのくらいの差を生むものなのでしょうか。
会社員人生で最後に受け取る退職金について、学歴による違いや退職給付金制度の現状を含めて統計データをもとにご紹介します。
【参照】
- ※1 文部科学省「令和2年(2020年)度学校基本調査(確定値)の公表について」(令和2年12月25日発表)
- ※2 日本学生支援機構「平成30年(2018年)度学生生活調査」
「学歴&勤続年数」と「退職金」の深~い関係
まずは勤続年数による退職金給付額(定年退職者1人当たり平均退職給付額)の違いを学歴別に見てみましょう。
大学・大学院卒(管理・事務・技術職)
- 20~24年:1,267万円
- 25~29年:1,395万円
- 30~34年:1,794万円
- 35年以上:2,173万円
高校卒(管理・事務・技術職)
- 20~24年:525万円
- 25~29年:745万円
- 30~34年:928万円
- 35年以上:1,954万円
高校卒(現業職)
- 20~24年:421万円
- 25~29年:610万円
- 30~34年:814万円
- 35年以上:1,629万円
給付額は学歴ごとに大きな差があり、大学・大学院卒が圧倒的な高さを見せています。ただし勤続年数に注目すると、35年以上というラインをクリアすることで高校卒も大学・大学院卒に並ぶほどの額となることが分かります。