「退職理由」と退職金の給付額の関係

退職の際には、「定年」「会社都合」「自己都合」「早期優遇」などの退職理由があります。「早期優遇」は会社側のリストラの一環により行われる希望退職などに当たります。退職理由による差はどのくらいあるのでしょうか。

厚生労働省の「平成30年(2018年)就労条件総合調査 結果の概況 (※3)」によると、平成29年(2017年)の1年間において勤続20年以上かつ45歳以上の退職者の1人当たり平均退職給付額は以下のようになりました。

[カッコ内は、退職時の所定内賃金(※4)と月次換算した場合の月数]

大学・大学院卒(管理・事務・技術職)

  • 定年:1,983万円(51.3万円、38.6か月分)
  • 会社都合:2,156万円(61.1万円、35.3か月分)
  • 自己都合:1,519万円(51.3万円、29.6か月分)
  • 早期優遇:2,326万円(53.6万円、43.4か月分)

高校卒(管理・事務・技術職)

  • 定年:1,618万円(39.8万円、40.6か月分)
  • 会社都合:1,969万円(49.9万円、39.5か月分)
  • 自己都合:1,079万円(36.3万円、29.7か月分)
  • 早期優遇:2,094万円(41.2万円、50.8か月分)

高校卒(現業職)

  • 定年:1,159万円(32.0万円、36.3か月分)
  • 会社都合:1,118万円(33.1万円、33.8か月分)
  • 自己都合:686万円(28.7万円、23.9か月分)
  • 早期優遇:1,459万円(30.1万円、48.6か月分)

「所定内賃金」とは(※4)

各会社の所定労働時間の労働の対価として支払われる賃金のこと。一般的に、毎月の給与のうち、所定外の手当を除いた賃金とされる。所定外の手当とは、所定労働時間を超えた労働に対する時間外手当、深夜勤務手当、休日勤務手当、夜勤手当などを意味する。

参考:コトバンク「ナビゲート ビジネス基本用語集

「自己都合」では支給される月数がかなり少なく、また、学歴による差が顕著となっています。一方、多くの企業で退職金の割り増しが行われている「早期優遇」においては支給月数も大きくなり、大学・大学院卒と高校卒(管理・事務・技術職)での学歴差も小さくなっているようです。