個人事業主になる3つのメリット

開業届を出して個人事業主になると、次の3つのメリットがあります。順に見ていきましょう。

1.節税ができる

開業後に青色申告をすると、最大65万円の特別控除を受けることができます。

(副業の収入)-(経費)-(特別控除)=(副業の所得)

たとえば収入が100万円で経費が35万円だった場合、青色申告をして特別控除65万円を受けると、払うべき税金は0円になります。

また、損失(赤字)が出た場合に、3年間繰り越すことができます。事業が軌道に乗るまでには赤字が続くことはよくあることです。赤字を繰り越すことができれば、利益が出た年の税金を少なくすることができます。

青色申告をするには、納税地の税務署に青色申告承認申請書を提出します。提出期限は開業後2カ月以内(開業が1月1日から1月15日の場合はその年の3月15日まで)に提出する必要がありますが、開業届と一緒に提出するケースが多いようです。

また、青色申告特別控除を受けるためには、複式簿記によって記帳する必要があります。簿記の知識がなくても、簡単に作成できる会計ソフトも登場しているので、利用してみるとよいでしょう。

2.事業用の口座を開設できる

個人事業主になると、個人の銀行口座とは別に事業用の口座である「屋号付き口座」を開設することができます。屋号とは、個人事業主がビジネスを営む際に使う名称のことで、商店名やオフィス名、ブランド名、ペンネームなども屋号になります。屋号付き口座を開設するには開業届の提出が必須となります。

屋号付き口座を作るメリットは、個人用と事業用の口座を分けることで、帳簿付けがしやすくなります。さらに屋号付き口座に紐づけた事業専用のクレジットカードを作って、経費の支払いに利用すれば、プライベートの出費と混同することなく、またそれらを会計ソフトと連携させれば、そのまま経費として計上することができます。

屋号付き口座の開設にはもう一つメリットがあります。顧客と取引をする際に、振込先の口座が個人名であるよりも屋号である方が顧客側は安心感を得られると考えられます。