今年に入り、2回目の緊急事態宣言が発動されました。感染者数は徐々に減ってきてはいるものの、依然として落ち着く気配がありません。

民間企業では、経済の状況がそのまま給与や賞与に反映されるため、経済的に不安な日々を過ごされている人も多いのではないでしょうか。

一方、景気や経済に左右されにくいと言われるのが公務員です。会社員からすれば、自分の勤め先が景気に左右されないというだけでも、安心感がありますよね。

私は、新卒より証券会社にて21年ほど個人のお客様中心に資産運用のコンサルティングに従事しており、日本FP協会のCFP認定会員です。

今回は公務員の退職金に注目して、民間会社員との格差について見ていきたいと思います。

国家公務員と地方公務員とは

公務員は大別すると、国家公務員と地方公務員の2種類に分かれ、国家公務員が58.6万人、地方公務員が274.4万人となっています。

退職金に関して言えば、それぞれ退職金に関する規定が定められており、国家公務員の退職手当は、「国家公務員退職手当法」に基づいて支給されます。

一方の地方公務員は、地方公務員法に基づき、国家公務員退職手当法に準じた「職員の退職手当に関する条例案」に拠り、支給されています。

公務員の退職金は民間の退職金事情なども考慮されて定められており、民間の支給実態と、かけ離れた額とならないように見直しがされています。

公務員の退職金はいくらか

それでは、国家公務員の退職手当について見ていきましょう。

国家公務員と言っても様々な職種がありますので、ここでは国家公務員の中で、給与法の適用を受ける一般行政職員等行政職俸給表(一)適用者が、定年近くまで勤務した場合について見ていきましょう。

下記は内閣人事局が発表した「令和元年度 退職手当の支給状況」です。

行政職俸給表(一)適用者で勤続年数が35~39年の場合

  • 平均支給額・・・2206万2000円

〈内訳〉

  • 定年・・・2188万1000円
  • 応募認定・・・2346万6000円
  • 自己都合・・・1782万7000円
  • その他・・・2239万6000円

行政職俸給表(一)適用者で勤続年数が40年以上の場合

  • 平均支給額・・・2166万7000円

〈内訳〉

  • 定年・・・2154万0000円(平均支給額)
  • 応募認定・・・2300万6000円(平均支給額)
  • 自己都合・・・1988万1000円(平均支給額)
  • その他・・・2239万6000円(平均支給額)

このように、行政職俸給表(一)適用者であれば、勤務年数に因りますが、概ね2000万円以上は支給されていることが分かります。

また、応募認定で支給される額は、定年で支給される額より多くなっています。早期退職希望者は認定された場合、割増の退職金を受け取ることができるためです。

地方公務員の退職金はいくらか

次に地方公務員の退職手当について見ていきましょう。

総務省が発表した「給与・定員等の調査結果等」より、それぞれの行政単位において、「60歳定年退職者の平均支給額」を単純平均し、比較して見ていきます。

都道府県(47団体)

  • 全職種・・・2211万2000円
  • 一般職員・・・2160万3000円
  • 一般職員のうち一般行政職・・・2164万8000円
  • 教育公務員・・・2236万6000円
  • 警察職・・2155万0000円

政令指定都市(20団体)

  • 全職種・・・2163万0000円
  • 一般職員・・・2107万2000円
  • 一般職員のうち一般行政職・・・2246万6000円
  • 教育公務員・・・2243万1000円

当道府県単位でも、政令指定都市単位でも、地方公務員は2000万円以上の退職金が、平均して支給されていることがわかります。

民間会社員の退職金はいくらか

では、退職給付制度がある民間企業はいくら退職金が出ていたのでしょうか。

厚生労働省が発表している「平成30年就労条件総合調査 結果の概況」より見ていきましょう。

退職者1人平均給付額(勤続20年以上かつ45年以上の退職者)

大学・大学院卒(管理・事務・技術職)

  • 定年・・・1983万円
  • 会社都合・・・2156万円
  • 自己都合・・・1519万円
  • 早期優遇・・・2326万円

高校卒(管理・事務・技術職)

  • 定年・・・1618万円
  • 会社都合・・・1969万円
  • 自己都合・・・1079万円
  • 早期優遇・・・2094万円


定年退職の場合で比較すると、公務員の退職金は2000万円超えているのに対して、民間は2000万円に満たないのが実態のようです。会社員の退職金よりも高い水準で支給されていることは間違いないようです。

民間の退職金制度は見直されていることも多く、制度自体がない企業も増えています。

民間の退職金が減れば、公務員の退職金水準も必然的に見直されるわけですから、公務員、会社員ともに退職金に関しては、今後の動向を注視しておいた方がよさそうです。

まとめにかえて

退職金がいくらもらえるかは、いつの時代も気になる事柄です。老後の生活費として重要な位置づけを占めているからでしょう。

もらえるにしても、もらえないにしても、みんな等しく老後を迎えることになるわけですから、老後の生活費の確保は早めに行った方がよさそうです。

会社員の人は、自分が勤めている会社の退職金制度を確認することも大事ですが、自分で年金を作っていくことも必要かもしれませんね。

金融先進国の欧米では、現役時代から資産運用を行い、資産形成を行っています。お金に働いてもらうことを実践しているのです。

日本でもイデコやつみたてニーサなど、老後を見据えた資産運用を後押しする税制優遇制度などが整えられています。

イデコやニーサを活用しないにしても、資産運用は若い世代の方には特におすすめした資産形成の方法です。

自分の知識に不安がある人は、現場経験が豊富なアドバイザーであるIFAやFPに相談されることをおすすめします。

参考資料