先日、第三子の妊娠を発表したことでも話題となった吉川ひなのさん。現在ハワイ在住の彼女は環境問題への意識が高いことでも知られていて、SNSではサステナブルな(自然環境や人間社会の持続可能性に心を寄せた)暮らしぶりが紹介されています。

ちょっと前まで、セレブや一部の意識の高い人だけのものだった「サステナブルな暮らし」。ですが今では、H&Mやファーストリテイリングといった私たちに身近な大手アパレルブランドも取り組みを本格化させているんです。

今回は、トレンドを追うプチプラ派の妻が、ちゃんと買い派の夫と暮らす中で迎えた大きな変化をご紹介します。

プチプラ派妻の買い物スタンスは「質より量」

Aさん(33歳女性)が結婚したのは、26歳のとき。当時、ウェブサイト運営会社の企画職として都内のオフィスに勤務していた彼女は、厳しくもやりがいのある仕事に誇りを感じながら、プライベートでは飲み会にヨガに旅行にと充実した生活を送っていました。

勤務先は自由な社風だったため、好きな服装で通うことができたAさん。もともとファッションが大好きだったこともあり、毎月新しい服を買うのが習慣だったそうです。

「夫と暮らす新居に引っ越したときも、持参した服の多さにびっくりされました。当時の私は、会社で『またその服?』って思われたくないのと、そのときのトレンドをいち早く取り入れたくて、とにかく服がたくさん必要だったんです。自分の給料でやりくりできるプチプラなアパレルブランドを探しては、買いあさっていました」

結婚して5年、ちゃんと買い派の夫に気づかされた

大量の服とともに結婚生活をスタートさせたAさんでしたが、夫は対照的なタイプだったそうです。

「夫は仕事上スーツで過ごす時間が長いから、そもそも私服の数があまり多くありません。でもいざ服を買うときは、無地の超シンプルなTシャツなのに1万円以上するものを買うのでびっくり。そんなデザインなら、もっと安いブランドもあるのにもったいない!って最初は思っていました」

転機が訪れたのは、結婚して5年が経過した頃。賃貸からマイホームに引っ越すことになったとき、Aさんはあることに気がついたそうです。

「荷造りのために家の中を整理していると、私の荷物はほぼ衣類。現役で着ている服のほかに、デザインは好きだけど毛玉ができて着られなくなったニットや、状態はいいけどデザイン的に着る気がしないスカートなど、もうどうしようもない服が大量に出てきました。フリマサイトに出せるものは出してみたけど、全然売れず…。これまで何も考えずに服を買い続けていた自分を恨みました」

一方、夫の服はというと、5年前からずっと着ているのに型崩れもなく、今着ても違和感がないデザインのものばかりだったそう。そこで初めて、夫が何の変哲もないTシャツに1万円以上も払っていた理由が理解できたそうです。

「シンプルで上質な服を長く着る方が、よほどコスパも環境にもいいことに気がついて猛省しました」

「量より質」に服との付き合い方を転換

引っ越しを機に、一生懸命働いて稼いだお金がただのタンスの肥やしと化している現実に気づいたAさんですが、どのようにして大量の服を片付けていったのでしょうか。

「調べたてみたら、店頭で古着を引き取ってくれるアパレルショップや、古着の寄付を受け付けているNPOが結構たくさんあることを知りました。少しでも有効活用してもらえるよう、店舗に行ったり発送したりしてなんとか捨てずにすんだんですが、引っ越しの期限が迫る中、大量の服を仕分けるのは本当に大変でした。『最近この服着てないけど、また着たくなるかもしれないし…』って思う服は大抵着ない服なので、そう思ったらすぐに整理することを全力でおすすめします!」

Aさんは服との付き合い方も大幅に見直し、以下のような観点で服を購入するようになったそうです。

  • トレンドを追うことから卒業して、年齢を重ねても長く着られる服にお金を使う
  • デザインのみでなく、使われている素材や洗濯方法なども確認する
  • 作られている工程も気にする。環境になるべく負荷が少ないものを選ぶ

こうして服を選ぶようになってから、服に対する愛着が驚くほど増したというAさん。以前より格段に量は減ったものの、本当に好きな服だけが集められたクローゼットを眺めると、とても満たされた気持ちになるそうです。

買い物に「サステナビリティ」という視点を

世界的に環境保護の機運が高まる中、サステナビリティへの取り組みは、今や企業の株価を左右するほど大きな要素となっています。

消費者である私たちも、できる範囲でサステナブルに暮らしたいもの。安さや効率だけを追求するのをやめると、意外にも豊かさが手に入るかもしれません。まずは毎日身に着ける服について、考えてみるのもよさそうです。

金谷 ひつじ