長期化するコロナ禍、はたらく私たちを取り巻く環境は激減しています。
ちかごろ「子どもに就かせたい職業」の上位にしばしばランクインする公務員。
また、公務員は民間の会社員よりも、お給料や退職金の面で「景気に左右されにくい」というイメージをお持ちの人も多いでしょう。
さて、公務員試験という狭き門をくぐり、日本という国を支える大切な仕事を任されている国家公務員のみなさん。お給料や退職金はどのくらい受取っているのか、ちょっと気になりますよね。
今回は、「国家公務員」と「ふつうの会社員(つまり民間企業で働く人、ということですね)」との差にフォーカスしつつ、昨今の退職金事情をのぞいていきます。
「民間企業の会社員」の定年退職金ってどのくらい?
さいしょに、民間の会社員が、どのくらい退職金を受取っているかを見ていきましょう。
厚生労働省公表の「退職給付(一時金・年金)の支給実態(平成30年)によると、勤続20年以上かつ45歳以上の退職者の1人平均退職給付額(定年)は以下の通りです。
- 大学・大学院卒(管理・事務・技術職)・・・1983万円
- 高校卒(管理・事務・技術職)・・・1618万円
- 高校卒(現業職)・・・1159万円
定年退職金「国家公務員」はどのくらいもらっている?
次に、国家公務員が定年退職金をどのくらい受取っているかについてみていきましょう。
内閣官房が公表した「平成30年度退職者に関する退職手当の支給状況」によると、国家公務員の一般行政職員等の平均退職金額は以下の通りです。
- 常勤職員のうち行政職俸給表(一)適用者(定年):2152万3000円
「THE安定」のイメージがある国家公務員の場合、退職金もかなり多いのではないか?と予想なさった方もいるでしょう。でも、ここまでのデータをご覧になり、どう思われましたか?
「意外に、多くないかも?」と感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。
単純に比較すると国家公務員の退職金の方が多いことにはなりますが、「大学卒・大学院卒」の平均退職金額と比べると、さほど大差はないともいえるでしょう。
これにはある背景があります。
そもそも、公務員の退職手当は、「民間企業の退職金の相場」とかけ離れることがないよう、見直しが行われているのです。