コロナ禍で幕を開けた2021年。
昨年に引き続き、医療機関や高齢者施設などでは、クラスター(集団感染)の発生防止のために、細心の感染対策が続けられています。
そんななか、感染拡大抑制に期待がかかるのが、ワクチンです。
「医療従事者や高齢者などは、優先的にワクチン接種を受けられる」とされていましたが、2020年12月に「介護職など」も追加する方針が発表されています。
しかし、勤務する施設や事業所の種類によっては、優先順位が上位にならない可能性もあるため、注意が必要です。
そこで今回は、ワクチン接種を受けられる順番や優先の対象となる施設などについて触れていきます。
また、ワクチン接種に際して知っておきたい「予防接種後健康被害救済制度」についてもご紹介しておきましょう。
ワクチン接種の優先順位。介護の現場はどうなるの?
まずは、厚生労働省の資料からワクチン接種の優先順位についてみていきます。
- 医療従事者等
- 高齢者
- 高齢者以外で基礎疾患を有する人、.高齢者施設等の従事者
- それ以外の人
参考:厚生労働省「新型コロナワクチン接種についてのお知らせ」
優先対象となる施設&ならない施設
「社会福祉施設などで働く職員」も優先的にワクチン接種を受けられますが、対象となる施設とそうでない施設があります。
ここからは、施設例をみていきましょう。
対象となる施設例
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- 介護医療院
- 軽費老人ホーム
- グループホーム
- 有料老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅
- 地域密着型施設
- 更生施設
- 障害者支援施設
- 共同生活援助事業所
例をみて分かるように、対象となる施設はとても多いです。
また、厚生労働省の「新型コロナワクチン優先接種についての検討案」(2021年1月25日)の「高齢者施設等の従事者の範囲について(案」では、高齢者施設等の従事者の範囲は、以下とされています。
高齢者等が入所・居住する社会福祉施設等(介護保険施設、居住系介護サービス、高齢者が入所・居住する障害者施設・救護施設等)において、利用者に直接接する職員
※サービスの種類、職種は限定しない。
「密」になりやすい環境であるうえ、入居者が共同生活をしている施設では、介護職員などの感染やクラスター発生の恐れもあります。
そのため、多くの社会福祉施設の職員が、優先的なワクチン接種を受けられるといえるでしょう。
対象とならない施設例
- 訪問介護事業所
- 通所介護事業所
厚生労働省の発表によると、対象となるのは、高齢者や障害者が「入所している」「集団で居住している」社会福祉施設等の職員です。
そのため、在宅介護を受ける利用者のもとへ訪ねる訪問介護員や、宿泊を伴わない通所介護事業所の職員は含まれていないことになります。
ただし、こちらは今後変わる可能性もあるとのことなので、動向に注目していきましょう。