「2000万円+介護費用」を準備する方法
ここまでのお話で、介護が必要になった場合、年金以外の「老後資金2000万円」の他に、さらに1000万円から3000万円ほどが必要になる可能性があることが分かりました。
では、その費用をどうやって準備していけばよいか、考えていきましょう。
頑張って健康寿命までは働く
老後生活で最も不安に感じるのは、年金以外に現金収入がなく、貯金をどんどん取り崩さなければならない状況です。
その不安を取り除くためには「毎月安定した現金収入を得ること」、つまり単純ですが「働き続ける」ことが重要になります。
幸い2021年4月1日から「高年齢者雇用安定法」の一部が改正・施行され、この中で事業主には「70歳までの就業機会を確保すること」に努めなければならないことが義務づけられました。(※)
これで健康寿命近くまではかなり働きやすくなるはずです。
またランサーズやクラウドワークスといったアウトソーシングサービスサイトでは、個人のスキルをお金に換えることが可能となっています。
例えば業務用の文章や挨拶文を作成したり、達筆な文字で手紙を書いたり、といったシニア層が得意とするスキルを仕事にすることができるのです。
まずはこれまでの豊富な経験を活かし、働ける間はなんとか働いて、現金収入を増やすことをおすすめします。
年金額を増やす
次に年金額を増やすことを考えます。
まず上記のように健康寿命まで働くことができれば、年金の受給開始時期を遅くする「繰下げ受給」を行うことで、受給額を増やすことができます。
またiDeCo(個人型確定拠出年金)や国民年金基金を活用して基礎年金+αの「年金2階建て」にすることもおすすめです。
掛金が所得控除の対象となったり、運用で得た利益が非課税になるなどメリットも大きいため、貯蓄との併用を検討してみてはいかがでしょう。