年収400万円台世帯の「家計見直しポイント」

貯蓄額には、上述のような景気変動の影響を受けやすいといえます。収入減少のリスクに備えるためにも、家計の見直しにより、支出の適正化をはかりましょう。

次では、家計の中でも、大きな割合を占める「固定支出」にフォーカスを当てていきます。

(1) 住まいにかかるお金

見直し効果の高い項目として、住宅ローンの借り換えがあります。諸費用を含めて借換えのメリットが出るかどうかは金融機関に依頼して試算することができます。

借換えによるメリットが出るかどうかは、「完済までの期間」「住宅ローン残高」「現在の金利と借り換え後の金利差」などが決め手となります。借換えを実行するには一定のコストがかかりますので、諸費用をコミコミで比較してみましょう。

一方、賃貸暮らしの場合、家賃の低い物件に引っ越すにはコストも思い切りも必要です。

新たに敷金・礼金・仲介手数料に加え、引っ越し費用がかかりますし、通勤・通学面での利便性にも関わってくる部分といえるでしょう。

そんな場合、まずは通信費や保険料など、取り掛かりやすい固定費に取り掛かりましょう。

(2) 保険分野については専門家に相談を

毎月の家計負担から考えると、保険も見直しのメリットを得やすい項目です。

自動車保険は制度改正や新商品の登場も多く、毎年更新があるため比較検討してみましょう。また、医療保険に関しては、治療方法の変化、入院日数が減り通院治療が増える、といった医療状況の変化が起きています。

医療費は貯蓄で対応できる可能性もあるうえ、「高額療養費制度」などの公的支援もあります。民間の保険による保障がどの程度必要なのかをよく検討なさることをおすすめします。

ただし、医療保険や生命保険は一般的に年齢とともに保険料も上がる傾向にあり、加入者の健康状態により契約の可否も決まります。

なかには、生命保険は貯蓄目的なので見直したくないというケースもあるでしょうし、医療保険についても健康上の理由から現状維持が良いというケースもあるでしょう。保険の検討の際には専門家に個別で相談していく方法がおすすめです。