貯蓄の平均値に比べて、自分の貯蓄が少ないと感じたことはありませんか?

総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2019年(令和元年)平均結果―(二人以上の世帯)」によると、貯蓄現在高の平均値は1,755万円という結果が出ています。しかし中央値で見ると貯蓄保有世帯は1,033万円、貯蓄0世帯を含んだ中央値は967万円と1,000万円以下になります。

このように平均値と中央値では大きな差があるため、どちらを参考にすれば良いか悩むかもしれません。本記事では平均値と中央値の違い、20代~70代の貯蓄平均値と中央値について詳しく紹介します。老後資金の必要額や貯蓄のコツについても触れていくので、参考にしてみてください。

平均値と中央値とは

平均値と中央値は数値の算出方法に違いがあります。平均値とは総数を数値の個体で割って算出した数字のこと。貯蓄額で例えると、全体の貯蓄額を人数で割って出した数値です。しかしこの場合、長者番付にランクインするような人がいると平均値を大きく上げてしまいます。そのため、体感よりも貯蓄の平均値が高いと感じやすいのです。

一方、中央値とは数値の低い順に並べたときに真ん中にくる数値のことを指します。データによって平均値と中央値どちらが参考になるかは変わりますが、貯蓄においては中央値の方が実情に近いと言えるでしょう。

20代~70代の貯蓄平均値と中央値

それでは20~70代の貯蓄平均値と中央値を見ていきましょう。2019年6月14日~7月23日に、知るぽると(金融広報中央委員会)が全国8,000世帯(世帯主が20歳以上でかつ世帯員が2名以上の世帯)を対象に行った「家計の金融行動に関する世論調査」によると、金融資産の保有額の平均値は1,139万円、中央値は419万円という結果が出ています。金融資産保有世帯で見ていくと平均値は1,537万円、中央値は800万円です。

各種分類別データ(令和元年)」にある年齢別の金融資産の平均値と中央値は以下の通りです。

平均値、中央値ともに金融資産が1,000万円を超えるのは50歳以降です。しかし50代は住宅ローンを支払っている世帯も多いため、借入金よりも金融資産が上回るのは60代からという結果に。いずれにせよ中央値は平均値よりも低く、実情に近い値となっています。