ターミネーターはやってくるか?

次に「ターミネーター問題」です。これは進化したAIが反乱をおこして人類を滅亡させるというお馴染みのストーリーです。

これについてはディープラーニング研究の第一人者・松尾豊教授(東京大学)の解説を紹介します。「知能」と「生命」は全く、別物であるということ。AIが進化して、突然「生命的」な目的(生き残る等)を持つことはあり得ないとのことです。ご安心ください。

現在、大きな話として議論されているのは、AIを始めとするデジタル・テクノロジーと「統治」の関係です。つまりデジタル・テクノロジーが「民主主義をアップデート」するのか、「独裁政治のツール」になってしまうのか。

現在のデジタルの世界は、テクノロジーの志向性としては分散化に向かっていると思います。

たとえば少し前のオンプレ(自前の情報システム)からクラウドへの移行は、中央主権的に見えますが、最新のトレンドはエッジコンピューティングです。エッジとは端末側のことで、ザックリ言えば分散アーキテクチャということ。エッジ側に設置されるエッジAIも注目を集めています。

とはいえ、社会の制度設計は人間がするわけですから、結局、一番怖いのはテクノロジーでもAIでもなく人間であるという月並みな結論になりそうです。ちなみに、個人的には、AI婚活もそのような視点もいれて、評価したいと思っています。

榎本 洋