当時、「エキスパートシステム」は熱狂的に迎えられたのですが、ルールの数が数千、数万となると矛盾や一貫性の無さが出てくるようになりました。結局、期待が大きかった分、失望へと変わってしまい、AIはまた冬の時代へと突入します。

ディープラーニングの衝撃

現在の第3次AIブームは、 2000年代初頭の「ディープラーニング(深層学習) 」の登場で始まりました。

ディープラーニングはAIが入力データから自ら学習し、特定の知識やパターンを覚えさせる必要がありません。これまでの技術では現実世界(環境)から得られるパターン(特徴)認識を学習させることが非常に難しかったのですが、これが可能となりました。

実は半世紀前から「シンギュラリティ(技術的特異点)」みたいなことは言われていたのですが、今度こそは、本当に破壊的なイノベーションが起きると言われています。ディープラーニングでは「認識(画像認識)」「運動の習熟」「言葉の意味理解」が可能となります。

現在はこの第3次AIブームと並行して、IoTの時代が到来しています。2021年、全世界でIoTにつながるデバイスの数は約448億台に達すると予測されています。ここから収集される膨大なビッグデータ活用を、自ら学習できるディープラーニングに担わせる。世界はそのような方向に進むと言われています。